旭化成が感光性ドライフィルム開発 先端半導体パッケージに対応

2025年05月28日

ゴムタイムス社

 旭化成は5月26日、2025年5月、AIサーバー用などの先端半導体パッケージの製造工程に使用される新規感光性ドライフィルム「サンフォート TA シリーズ」を開発したことを発表した。感光性ドライフィルムは、同社のエレクトロニクス事業における中核製品の一つであり、今回の「TAシリーズ」は、急成長する次世代半導体パッケージング市場の成長に対応すべく開発された。「TAシリーズ」は、従来のStepper露光機に加えLDI(レーザーダイレクトイメージング)露光機にも対応し、いずれの露光方式においても極めて高い解像性を実現し、パッケージング工程において基板への微細回路パターンの形成性能力の向上に貢献する。

 同社は、『中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~』においてエレクトロニクス事業を重点成長事業の一つと位置づけている。エレクトロニクス事業は電子材料事業と電子部品事業の2つの事業体から構成されており、「サンフォート」は、電子材料事業を担う中核製品の一つ。
 AIサーバー用などの先端半導体パッケージに適用されるインターポーザーやパッケージ基板には、大面積・高多層化に加えて高密度な微細配線形成技術の高度化が求められている。こうした微細配線が形成される再配線層(RDL)用のフォトレジスト材料としては、解像度の観点から長らく液状レジストが主流となっていた。一方で、感光性ドライフィルムはパネル適合性、取り扱いの簡便性、基板上下面での同時処理可能などの利点を有しているが、解像度の不足によりこれまではRDL形成には適用されてこなかった。
 このたび同社が長年培ってきた感光性材料技術と新たな材料設計を元に開発した「TAシリーズ」は、RDL形成に求められる4μμmピッチデザインにおいてLDI露光でのレジスト幅1・0μμmのパターンが形成可能であり、パネルレベルパッケージなどの微細配線形成に適した感光性フィルム材料。得られた微細レジストパターンはSAP(セミアディティブプロセス)によるめっきパターン形成と続くレジスト剥離により、4μμmピッチデザインにおいて3μμm幅のめっきパターンの形成が可能。

 またTAシリーズは従来のStepper露光方式にも対応しており、多様化する微細配線形成の工程に新たな選択肢を提供する。

 同社は、今後も感光性ドライフィルム「サンフォート」を通じて、パネルサイズの大型化に伴い重要性が増すパネルレベル・パッケージング技術開発に今後も貢献していくとしている。

感光性ドライフィルム「サンフォート」

感光性ドライフィルム「サンフォート」

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