東ソーがRZETA開発で受賞 第57回日化協環境技術賞

2025年05月23日

ゴムタイムス社

 東ソーは5月21日、日本化学工業協会が主催する「第57回日化協技術賞」において「環境技術賞」を受賞したことを発表した。今回受賞した同社の技術は、「機能性3級アミン『RZETA』の開発」。

 アミンは、エポキシ樹脂硬化剤、紙力増強剤、潤滑油添加剤、医薬品などさまざまな分野・幅広い用途で使用されている。
 そのうち、自動車内装材や家具などの原料であるポリウレタンの製造工程で発泡を促進する触媒として使用される3級アミンは、製造後のポリウレタンから徐々に揮散し(アミンエミッション)、臭気や他部材の汚染を引き起こすという課題があった。

 これらの課題に対し、製造時にポリウレタンと反応して固定化され、アミンエミッションが発生しない、機能性3級アミンのRZETAを開発した。RZETAを使用することで、ポリウレタンの臭気の低減や、他部材の汚染を防ぐことが可能となる。RZETAは同社で独自に検討・開発した工業的製法を用いて量産化を達成しており、現在、環境対応型のポリウレタン製造触媒として採用が進んでいる。

 また、燃焼排ガスからの二酸化炭素(CO2)回収で使用されるアミンは、燃焼排ガス中の窒素酸化物(NOx)などで分解され劣化することから、経時的に回収性能が低下する課題があった。
 この課題に対し、RZETAはNOxに対して高い耐久性を持つことから、NOxが不純物として含まれるゴミ焼却場やセメント工場などの燃焼排ガスからのCO2回収においても、長期間安定した運転が可能となった。現在、この高耐久性を活かして、プラントへの実装を検討している。

 環境技術賞は、独創的技術あるいは改良技術で、環境負荷低減に対して著しい効果があり、科学技術の進歩に寄与したものに対して贈られる賞。
 同社は今回の環境技術賞の受賞を励みとし、引き続き研究開発を進めていくとしている。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー