日本ゼオンが宇宙事業創出目指す 米の太陽電池企業に投資

2025年05月21日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは5月19日、CVCを運営する子会社Zeon Venturesを通して、宇宙開発に必要な電力を安価で提供する革新的な太陽電池技術を開発する米国スタートアップSolestialに投資したことを発表した。同社は、本投資を通じ、宇宙産業での事業機会を探索する。

 Solestialのシリコン製宇宙向け太陽電池セルは、低軌道(LEO:Low Earth Orbit)宇宙空間用に設計されており、宇宙空間での放射線損傷に対する自己修復機能を持つことが他にはない大きな特長。Solestialはこのセルを組み合わせて超薄型、低質量、フレキシブルな太陽光発電モジュールにし、通常の動作温度で放射線損傷を自己修復することで、宇宙空間での長期間の使用を目指している。また、Solestialのソリューションは拡張性が高く、モジュールは自動化された機械で生産できるため、従来の宇宙用太陽電池製品と比べ、低コストで製造できる優位性がある。Solestialは、独自に開発した軽量で長寿命、かつ高効率なソリューションの提供を通じ、宇宙太陽光発電の需要拡大に応える。

 同社は、Solestialとの連携を通じ、衛星をはじめとした宇宙産業での事業機会の創出を目指していく。また、同社グループの様々なアセットを共有することで、Solestialの更なる成長の支援に加え、Solestialとの協業の可能性を検討していく。

 同社は中期経営計画STAGE30で「2030年度新規事業売上高プラス600億円」を掲げ、新規事業の拡大を目指している。今後も重点4分野(「医療・ライフサイエンス」「CASE・MaaS」「情報通信(5G/6G)」「省エネルギー」)でのスタートアップへの投資・支援や、あらゆる産業・分野に変革をもたらす新素材の提供と用途開発により、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献していくとしている。

 

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