双日、連結子会社化へ 日本エイアンドエル株式取得

2025年05月16日

ゴムタイムス社

 双日と住友化学、三井化学の3社は5月15日、SBRラテックスならびにABS樹脂の製造・販売・研究開発を行う日本エイアンドエルの株式売買契約を締結したことを発表した。今後、必要な手続きを経て、25年7月には双日が日本エイアンドエル株式の66・5%を取得し、連結子会社とする予定。双日は「低炭素・環境社会に即した次世代事業の創出」を化学本部の成長戦略の1つに位置付けており、日本エイアンドエルの子会社化は、商品に対するニーズなどの知見があり既存事業とのシナジーが期待できる領域で製造事業へ参画し、収益力強化を図る。
 日本エイアンドエルは、住友化学と三井化学の出資による合弁会社。電気自動車(EV)用などで需要が拡大しているリチウムイオン電池(LiB)の負極バインダー用SBRラテックスでは高い技術力を持つ世界的なサプライヤーとして、また、紙加工用のSBRラテックスでは日本でも有数のサプライチェーンを有し、いずれも高い評価を受けている。また自動車や家電に使用されるABS樹脂では、高い技術力に裏付けられた安定した顧客基盤を国内外に有している。
 住友化学は事業ポートフォリオの見直し、構造改革の継続的な遂行による事業構造の一層の強靭化、財務・資本効率の改善などに取り組んでいる。その中で、今後も日本エイアンドエルが持続的に成長していくためには、どのような施策が必要であるか検討してきた。
 双日はLiB分野の黎明期から日本エイアンドエル製品を含む関連部材を取り扱っており、事業の知見や経験を有しているとともに同事業のさらなる強化に意欲的であること、また、双日のもつ経営資源や事業ノウハウを掛け合わせることが、日本エイアンドエルの企業価値のさらなる向上に資するとの考えのもと、このたびの一部株式譲渡を決定した。
 三井化学は、ポートフォリオ変革の一環として、日本エイアンドエルの強みを活かし、よりシナジー効果を発揮できる他社との連携を検討してきた。その結果、双日の傘下で新たな価値創出、企業価値の向上が期待されることから、今回の契約締結に至ったとしている。
 

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