EBITDAは前年比7%増 エボニックの25年度第1四半期

2025年05月16日

ゴムタイムス社

 エボニックインダストリーズは5月15日、厳しい経済環境にもかかわらず、2025年1~3月期に前年同期比で増益を達成したことを発表した。調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)は5・6億ユーロで、良好な前年実績を7%上回った。この増益は、販売数量の増加やアニマルニュートリション部の想定を上回る販売価格、さらに継続的なコスト管理によるもの。

 第1四半期の販売数量は、前年同期比で2%増加し、販売価格は2%下落した。売上高はほぼ横ばいの37・8億ユーロだった。調整後EBITDAマージンは1%ポイント上昇し14・8%となった。純利益は2・33億ユーロ(前年同期は1・56億ユーロ)、フリーキャッシュフローは53%増の1・95億ユーロだった。

 年初の数ヶ月で経済情勢は厳しさを増し、米国の保護貿易主義的政策の強化により不確実性がさらに高まっている。しかしながら、同社は年初に好スタートを切れたことを受け、業績予想を確定した。2025年の調整後EBITDAは引き続き20~23億ユーロの範囲を見込んでいる。

 アニマルニュートリション部の価格動向が予想を上回ったことが、第1四半期の増益を後押しした。この傾向は少なくとも第2四半期まで続く見込み。2025年のキャッシュ・コンバージョン・レートは引き続き約40%、資本支出はほぼ横ばいの8・5億ユーロを見込んでいる。ROCE(使用資本利益率)は今年さらに改善する見通し。

 同社は、コスト管理に重点を置き、組織の効率化を図る「エボニック・テーラーメイド」プログラムや事業内の様々な最適化プロジェクトに取り組むことで、外部要因に依存しない企業を目指している。他の改善プログラムと併せて、「テーラーメイド」は今年度に数十億ユーロのコスト削減を達成し、収益増に大きく貢献する予定。マネジメントモデルをスリム化し、コーポレートのユニット数を削減した新しい組織構造を導入した。第2四半期の初めには、事業部門のマネジメント階層を撤廃している。その結果、化学事業は2つのセグメントに集約され、現在は取締役会の担当役員が直接運営を行っている。

 同社は、2025年5月22日に開催するキャピタルマーケットデーにおいて、戦略的方向性や目標についてより詳しい情報を提供する予定。

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