産業用資材は増収減益 藤倉コンポジットの25年3月期

2025年05月15日

ゴムタイムス社

 藤倉コンポジットの25年3月期連結決算は、売上高が413億2500万円で前期比9・4%増、営業利益は48億700万円で同32・6%増、経常利益は50億5000万円で同29・6%増、当期純利益は38億8800万円で同19・5%増となった。

 セグメント別では、産業用資材の売上高は237億4000万円で同9・0%増、営業利益は2億1900万円で同14・9%減。工業用品部門は、自動車関連部品及び住宅設備関連部品の受注回復が進み増収となったが、国内は製造コスト上昇に対し価格転嫁が追い付かず、また米国での急激な受注の落ち込みが影響し減益となった。制御機器部門は、主力の半導体市場は流通在庫調整がほぼ収束し、AI半導体の設備投資が牽引したことにより、国内・海外向け共に堅調に推移した。液晶市場は引き続き低調ではあるが、海外向けの一部持ち直しにより増収となった。医療市場での一部新製品の上市遅れ及び中国市場の景気低迷の影響により、全体では増収減益となった。

 引布加工品の売上高が34億2100万円で同30・9%減、営業損失は1億3100万円(前年同期は4300万円の損失)。引布部門は、電気・電子分野向けの部材や一般ゴム引布の受注が好調に推移したが、製造コスト等の増加により増収減益となった。加工品部門は、防衛関連製品の受注増加で増収となったが、舶用品関係において救命いかだ不具合事象の対応費用増加により、営業損失となった。印刷材料部門は2024年3月期をもって事業撤退した。

 スポーツ用品の売上高は138億1700万円で同29・0%増、営業利益は54億6000万円で同36・9%増。ゴルフ用カーボンシャフト部門は、米国モデル『VENTUS』、国内モデル『SPEEDER NX VIOLET』等の主力モデルが米国及び国内の男子・女子ツアーそれぞれで多くのプロゴルファーに使用されたことにより認知度が高まり、加えて積極的な宣伝広告と営業戦略が功を奏しグローバルで好調を継続した。また2025年2月に五反田本社に併設のフィッティング直営店『フジクラゴルフクラブ相談室五反田店』をオープンしたことで、フジクラシャフトの魅力の訴求とエンドユーザへのPR効果も高まり、増収増益となった。アウトドア用品部門は、市場全体での冬物商材の在庫消化が遅れたことにより春物商材の投入が進まず、減収減益となった。

 26年3月期の連結業績予想は、売上高は407億円で前期比1・5%減、営業利益は50億円で同3・9%増、経常利益は52億円で同2・9%増、当期純利益は38億円で同2・3%減を見込んでいる。

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