住友ベークライトの25年3月期連結決算は、売上収益が3047億7300万円で前期比6・1%増、事業利益は308億3700万円で同12・3%増、営業利益は247億9200万円で同8・9%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は192億8100万円で同11・7%減となった。
セグメント別では、半導体関連材料は、売上収益が913億3600万円で同10・2%増、事業利益は179億8800万円で同11・5%増となった。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、中国国内の旺盛な半導体需要や電動車のパワートレイン用途の販売増加、 加えてAI関連用途の需要が拡大したことにより売上収益が増加した。
感光性ウェハーコート用液状樹脂は、メモリ向けの需要が回復基調に入ったことに加え、パワー半導体などの非メモリ用途への新規採用が進み、売上収益が増加した。
半導体用ダイボンディングペーストは、台湾・東南アジアなどの情報通信機器、車載半導体向けの販売が低調だった一方、中国での新規拡販が進んだことにより、売上収益が増加した。
半導体パッケージ基板材料「LαZ」シリーズはモバイル機器向けの販売が伸長し売上収益が増加した。
高機能プラスチックは、売上収益が1054億6300万円で同4・0%増、事業利益は52億5600万円で同0・9%減。工業用フェノール樹脂は、欧州での摩擦材の販売が好調に推移したことに加え、国内での半導体用途の販売が伸長した。
フェノール樹脂成形材料は、北米での自動車用途の需要が低調に推移したものの、中国・アジア地区での成形品や電機部品用途の販売が堅調に推移したことで、売上収益は増加した。
銅張積層板は、車載・エアコン用途の需要低迷により売上収益が減少した。航空機内装部品は、米国顧客でのストライキによる需要減があったが、世界的な航空需要の回復が継続していることや、欧州向けの販売が好調に推移したことにより、売上収益が増加した。
クオリティオブライフ関連製品は、売上収益は1072億300万円で同4・9%増、事業利益は117億8200万円で同21・2%増。医療機器製品は、マイクロ能動カテーテルやアジア向け血液関連製品の販売が好調に推移し、売上収益が増加した。
バイオ関連製品は、国内向け診断薬の販売が減少したが、海外での理化学機器の販売は増加し、売上収益は前期並みだった。
ビニル樹脂シートおよび複合シートは、食品包装用途はカット野菜向けを中心に需要が堅調に推移し、医薬品包装用途はジェネリック医薬品の在庫拡充を背景とした好調が持続し、産業用途は中国での半導体需要の増加とASEAN地域向けの販売が伸長したことで、売上収益が増加した。
ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、光学製品では車載向けの需要が伸長し、建材用途ではひょう害による交換需要や道路物件などの販売が堅調に推移したため、売上収益が増加した。
防水関連製品は、住宅着工件数の減少に伴い量産住宅向けの需要が落ち込み、売上収益が減少した。
26年3月期の連結業績予想は、売上収益が3100億円で前期比1・7%増、事業利益は325億円で5・4%増、親会社の所有者に帰属する当期利益は235億円で同21・9%増を見込んでいる。