ニッタの25年3月期連結決算は、売上高が902億7600万円で前期比1・9%増、営業利益が51億5500万円で同16・6%増、経常利益が146億100万円で同21・6%増、当期純利益が121億3100万円で同23・1%増となった。5月9日に開催した決算会見で北村精一社長は「自動車業界や建設機械向けは低調に推移したものの、半導体製造装置向けが回復したことや物流業界向けのベルト製品が北米で好転し増収となった。営業利益は原材料価格転嫁の進捗や半導体製造装置向けなど高付加価値製品の売り上げ回復で増益となった」と説明した。その結果、25年3月期の売上高、経常利益、当期純利益は過去最高を更新した。
ベルト・ゴム製品事業の売上高は296億8400万円で同0・5%増、セグメント利益は34億7300万円で同1・0%増となった。ベルト製品の物流業界向けは国内が低調したものの、北米が好転した。一方、繊維業界向けは欧米、アジア地域で低調に推移した。ゴム化成品は、電子部品業界向けが堅調に推移したのに対し、RFID製品は前年度の特需が収束し低調となった。
ホース・チューブ製品事業の売上高は315億1800万円で同0・6%減。セグメント利益は1億4700万円で同1億3900万円増加した。同事業では、一般産業向けは国内の半導体製造装置向けが回復傾向にあるものの、建設機械向けはいぜん低調に推移した。また、オート向けは「国内は自動車の認証問題の影響から低調、海外もプログラムの遅れから低調となった」(北村社長)と語った。
化工品事業の売上高は130億2900万円と同10・2%増、セグメント利益は10億1500万円で同123・3%増となった。ゴム製品は鉄道業界向けは国内および海外とも堅調に推移。また、第4四半期にゴム引布製品で特需があったことも売上・利益を押し上げた。エラストマー製品はOA機器向けが中国で需要堅調に推移した。
その他産業用製品事業の売上高は115億2700万円で同0・5%増、セグメント利益は2億6100万円で同40・4%減となった。同事業のうち、空調製品のフィルタ製品は半導体や製薬、病院向けなどでリピート需要が堅調。血液循環回路などの医療用製品は中国向けが低調に推移した。
26年3月期(今期)の業績予想は、売上高920億円で前期比1・9%増、営業利益53億円で同2・8%増、経常利益140億円で同4・1%減、当期純利益は115億円で同5・2%減を見込む。「今期は売上高と営業利益は前年を上回るとみているが、経常利益と
2025年05月12日