インダストリー分野は増収減益 積水化成品の25年3月期

2025年05月12日

ゴムタイムス社

 積水化成品工業の25年3月期連結決算は、売上高が1370億7200万円で前年同期比5・2%増、営業利益は6億4100万円で同49・2%減、経常利益は1億200万円で同96・2%減、当期純利益は62億8200万円(前年同期は10億8300万円)となった。

 セグメント別では、ヒューマンライフ分野の売上高は549億7600万円で同12・0%増、セグメント利益は30億600万円で同68・2%増となった。水産・農産など主要用途での需要が減少となった一方、リサイクル原料を使用した「エスレンビーズRNW」は、生協などで使用される通函用途で受注が拡大した。また、新たに開発した省資源素材「エスレンシートPZシリーズ」が新規需要を取り込み、順調に推移している。住環境分野では都市開発工事に伴う需要を取り込み、都市緑化の採用が拡大した。

 インダストリー分野の売上高は820億9600万円で同1・2%増、セグメント利益は5億3200万円で同77・5%減となった。モビリティ領域は、軽量化ニーズ増加により自動車部材が堅調に推移した。「ピオセラン」は、液晶パネル搬送資材用途がアジアで伸張し、前年を大幅に上回った。ポリマー微粒子「テクポリマー」は、自動車用ライティング用途では、国内外で採用が進み、ディスプレイ用途も需要を取り込み順調に推移した。機能性高分子ゲル「テクノゲル(STーgel)」では、ゲルロールが好調に推移し、また長時間貼付用複合電極など新たな用途の開発にも取り組んだ。

 エレクトロニクス領域では、ピオセランRNWを活用した梱包資材用途展開、ポリマー 微粒子の新技術開発により、情報通信デバイスへの採用、新型ディスプレイ内部材での実績化を図っていく。
 医療・健康領域では、顧客ニーズに対応した開発により、生体センシング分野など新市場への展開を図っていく。なお、当連結会計年度における国外売上高は592億6000万円(連結売上高に占める割合43・2%)となった。

 26年3月期の連結業績見通しは、売上高は1140億円で前期比16・8%減、営業利益は18億円で同180・7%増、経常利益は14億円を見込んでいる。

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