エボニックが基材湿潤添加剤開発 UV・EB硬化型処方の課題を解決

2025年04月28日

ゴムタイムス社

 エボニックインダストリーズは4月24日、同社コーティングアディティブス部が、水性およびUV・EB硬化型処方の課題を解決する独自の基材湿潤添加剤、TEGO Wet288を開発したと発表した。
 従来のシリコン系湿潤剤は、高pHの水性処方では長期保存中に失活することがあり、またUV・EB硬化型処方では再印刷性や接着性に悪影響を及ぼすことがある。しかし、TEGO Wet288を使うことで、これらの課題を克服することが可能となる。
 コーティングアディティブス部、南北アメリカ地域インキ事業応用研究・技術部門責任者を務めるカイ・ヤン氏は、「この革新的な技術は、お客様と密接に連携することで開発することができた。TEGO Wet288は、これまで実現不可能と考えられていた性能を備えている」と述べている。
 TEGO Wet288は、水性インクジェットインキにおいて表面張力を大幅に低減させ、長期間にわたりその効果を維持することで競合技術を凌駕する。UV・EB硬化型インキやワニスでは強力な表面張力低減効果と濡れ性を発揮するとともに、硬化塗膜に対する再印刷性や接着性は維持される。
 さらに、TEGO Wet288は幅広い食品接触包材規制に対応しているため、食品包装用途にも適している。この疎水性界面活性剤により、処方設計の可能性を広げることができる。
 コーティングアディティブス部インキ市場の責任者を務めるスザンヌ・ストラック氏は、「TEGO Wet288は、当社の水性およびUV・EB硬化型インキやワニス用の無溶剤で高性能な添加剤の包括的な製品群を補完するもので、幅広い食品接触包材規制に対応している」と述べている。
 コーティングアディティブス部は、水性、UV・EB硬化型、溶剤系の印刷インキやインクジェットインキ用の各種添加剤に加え、インキ用のコバインダーの幅広い製品群を提供している。

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