住友化学は3月4日、2025~27年度の中期経営計画を策定したと発表した。2024年度は短期集中業績改善策、抜本的構造改革が大きく進捗し、業績V字回復の達成を見込んでいる。こうしたモメンタム(推進力)の中、4月から新たなマネジメント体制をスタートさせ、当面の成長ドライバーとなる「アグロ&ライフ」「ICT&モビリティ」領域への経営資源の集中により、事業ポートフォリオの高度化を加速させる。また、ROIC志向経営を再徹底することで、収益力・資本効率を大幅に改善させ、成長軌道への確かな回帰を実現する。
同社は、長期的に目指す姿として「Innovative Solution Provider」を掲げている。同社が強みを持つ技術や事業のアセットから、取り組むべき社会課題を「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」に定め、これらの4つの課題に対応して事業部門を再編した。それぞれの分野で革新的な製品や技術によるソリューションを次々と生み出し、広く社会へ提供していくことで、この先もグローバルに存在感のある会社であり続けたいと考えている。
同中期経営計画は、同社が長期的に目指す姿を実現するためのファーストステップと位置づけている。スローガンとして「Leap Beyond~成長軌道へ回帰~」を掲げ、基本方針として定めた「新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化」「構造改革の継続的な遂行による強靭化」「財務・資本効率の改善」など5つの重要経営課題に取り組む。
基本方針の1つ目は、新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化、2つ目は、構造改革の継続的な遂行による強靭化、3つ目は、財務・資本効率の改善となる。
上記3つに加え、持続的成長へ向けて同社が強みをもつアセットであるBX(バイオ)・DX(デジタル)・GX(グリーン)の「3つのXを基軸としたR&D戦略」および、「新成長戦略を支える経営基盤の強化」(人材、ガバナンス等)に取り組む。
同中期経営計画の経営目標(連結)は、2027年度計画、売上収益2兆4000億円、コア営業利益2000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1000億円、ROE8%、ROIC6%、D/Eレシオ0・8倍台、2024年度予想、売上収益2兆6000億円、コア営業利益1000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益250億円、ROE3%、ROIC2%、D/Eレシオ1・1倍となる。
2025年03月05日