三井化学とアートネイチャーが協働 バイオマス素材をウィッグに

2025年02月20日

ゴムタイムス社

 総合化学メーカーの三井化学と、毛髪に関する総合サービスを提供するアートネイチャーは2月18日、持続可能な社会の実現に向け、オーダーメイドウィッグ製作用のモールド(型)にバイオマスウレタン素材を用いた生産を2025年2月より開始することを発表した。

 オーダーメイドウィッグは一人ひとりの頭部の形状に合わせて製作される。3Dスキャナーにて頭部の形状を正確に計測し、ウレタンの切削により頭部と同じ形状のモールドを作製する。寸法が正確なモールドは、頭部に優しくフィットするウィッグの基本となるため、素材には切削性および寸法安定性に優れるウレタンを用いる。削り出した型の形状に合わせて、ウィッグの土台となるベース(キャップ)を作製し、植毛工程を経てウィッグが完成する。

 ウィッグ製作用モールドには、従来、石油由来のウレタン素材を使用していたが、非可食原料である「ひまし油」をベースとしたバイオマス素材(バイオマス度20%)に切り替えることにより、廃棄物量の削減および焼却時のCO2削減を実現した。これにより、年間12トンの廃棄物削減とおおよそ70トンのCO2排出量の削減(約50%減)を見込んでいる。

 カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現には、業界の垣根を越えた連携が必要不可欠。両社は、環境と調和した循環型社会の実現を通じて社会とともに持続的に成長・発展していくとしている。

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