クラレがコウノトリ保護支援 企業版ふるさと納税を活用

2025年02月03日

ゴムタイムス社

 クラレは1月30日、企業版ふるさと納税制度を活用し、鹿島事業所が所在する、茨城県神栖市へ寄付を行ったことを発表した。
 この日、神栖市教育センター(旧神栖市立矢田部小学校:茨城県神栖市矢田部)にて、企業版ふるさと納税の感謝状贈呈式と寄付金を活用いただいたコウノトリ巣塔のお披露目が行われ、同社に感謝状が授与された。神栖市の企業版ふるさと納税を活用して「国の特別天然記念物コウノトリ」の保護活動を支援することは、同社が初の試みとなる。

 同社は、鹿島事業所の目指す「生物多様性の保全」への取り組みの一環として、企業版ふるさと納税制度を活用し、神栖市へ2024年8月に170万円の寄付を行った。寄付金は神栖市の2つの事業「社会経済情勢の変化に柔軟に対応する産業をつくる事業」(コウノトリプロジェクトなど)、「まちの魅力を高め、市内外の人々の交流を促進し、移住・定住につなげる事業」(神之池桜守り隊の活動など)に活用される。
 神栖市が支援する民間団体、波崎愛鳥会が行う「国の特別天然記念物コウノトリ」の保護活動により、同社の寄付金が活用されたコウノトリ用人工巣塔が、2024年12月16日、神栖市教育センターの庭の一画に建てられた。また、市民参加・協働により神之池緑地の桜や樹木の維持管理をおこない、市民などが主体となった緑地の保全活動の定着を目指す神之池桜守り隊の活動費にも寄付金が充てられる予定。

 絶滅危惧種であり、国の特別天然記念物に指定されているコウノトリを、安全に営巣・孵化させるため、人工巣塔(ポールの上に巣づくりしやすいよう丸い台座を付けたもの)を設置するなどの保護活動が行われている。2024年までに3基の巣塔が設置され、この度同社の支援により4基目が建設された。神栖市では2年連続で孵化に成功し、合計10羽のコウノトリが巣立っている。

 同社は創立当時から、ただ利潤を追求するだけでなく、地域コミュニティーへの貢献を理念として掲げてきた。1972年に生産をスタートした鹿島事業所は、地元神栖市とともに発展しており、感謝を込めて、神栖市のプロジェクトを支援することになった。今後も、生物多様性保全をはじめ、地元地域に貢献できるよう、取り組みを進めていくとしている。

右:神栖市 石田進市長、左:クラレ鹿島事業所長 川原孝春氏

右:神栖市 石田進市長、左:クラレ鹿島事業所長 川原孝春氏

同社ロゴの入ったコウノトリ用人工巣塔

クラレのロゴの入ったコウノトリ用人工巣塔

 

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