豊田合成は1月31日、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向け、太陽電池を衣服に搭載し、自己発電を可能にしたスマートウェアの実証実験を開始することを発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、既存の太陽電池よりも薄型・軽量かつ曲面などにも搭載しやすい高い柔軟性があり、低コストで高効率な発電が可能なため普及が期待されている。同社は、同技術に強みを持つスタートアップのエネコートテクノロジーズに2023年に出資し、共同開発を進めてきた。
今回、ペロブスカイト太陽電池の応用製品の一つとして、エネコートテクノロジーズ社製の太陽電池を衣服に貼り付け、発電した電力で冷暖房や各種センサを活用した健康管理機能などを搭載できる「スマートウェア」を試作した。同社が持つ高周波電源の制御技術により、太陽電池で発電した電力を蓄電する「パワー制御ユニット」を開発。また、協業先であるセーレンのビスコテックス技術と縫製技術により、太陽電池を配線なしで衣服に装着する技術を確立した。2025年4月13日~10月13日に開催される「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)において、民間パビリオンの出展企業と協業し、耐久性などの実証を行う予定。
同社は、中長期経営計画(2030事業計画)で掲げる「より良い移動と暮らしを未来につなぐ会社」という目指す姿の実現に向け、社会課題解決型のソリューション開発を進めており、最先端技術・サービス実現に向けた実証実験の場として大阪・関西万博を活用する。