信越化学工業の25年3月期第3四半期連結決算は、売上高が1兆9296億9800万円で前年同期比5・8%増、営業利益は5844億3900万円で同4・5%増、経常利益は6442億3100万円で同4・6%増、四半期純利益は4325億3900万円で同6・4%増となった。
シリコーン事業が含まれる機能材料事業の売上高は3413億円で同5%増、営業利益は783億円で6%増となった。汎用製品群で中国経済の不振に起因する市況軟化が続いたが、引き続き機能性の高い製品群の販売を増やすことで収益の改善に努めた。
生活環境基盤材料事業の売上高は7775億円で同3%増、営業利益は2263億円で同11%減となった。塩化ビニルに関しては、4~6月において主要地域で価格が上昇し、7~9月でさらに水準の改善ないし維持をすることができたが、10~12月で値下がりが生じた。か性ソーダについては、4~6月で値上げを実施したが、それ以降一進一退の情勢となった。
電子材料事業の売上高は7091億円で同10%増、営業利益は2605億円で同21%増となった。半導体市場は、調整局面からの回復は用途・分野によりまだら模様だった。そのような事情のなか、伸びの強い市場にシリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を出荷することに注力した。希土類磁石は、堅調なハードディスクドライブ用の需要に応える一方、車載市場への拡販に努力した。
加工・商事・技術サービス事業の売上高は1015億円で同5%増、営業利益は216億円で同18%増となった。半導体ウエハー関連容器は工程内用を中心に需要が徐々に回復した。自動車用入力デバイスは自動車産業の回復を受け堅調に推移した。
25年3月期通期業績予想は直近に公表されている数値に修正はなく、売上高は2兆5000億円で前期比3・5%増、営業利益は7350億円で同4・8%増、経常利益は8200億円で同4・2%増、当期純利益は5330億円で同2・5%増を見込んでいる。