帝人がサーキュライズに出資 サプライチェーンの透明性向上へ

2024年12月05日

ゴムタイムス社

 帝人は12月4日、ブロックチェーン(分散型台帳)を用いたトレーサビリティ管理システムを展開するオランダのCircularise(サーキュライズ社)に出資することを決定したと発表した。
 2050年カーボンニュートラルに向けて、サプライチェーンのあらゆる段階で資源の効率的・循環的な利用を図り、付加価値の最大化を目指すサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現が世界的に求められている。そうした中、製品が、いつ・どこで・どのような素材を用いて生産・使用・廃棄されたのかを網羅的に把握できるデジタルプロダクトパスポート(DPP)の導入が欧州で予定されており、DPPを付与した製品の流れを追跡するデジタル・トレーサビリティ・プラットフォームの普及が循環型経済の実現に欠かせないものとして注目されている。
 同社は、理念体系に「地球の健康を優先し、環境を守り、循環型社会を支える」ことを掲げ、自社の事業活動に伴う環境への負の影響が最小限となるような製品・サービスの展開に努めており、業界をリードして循環型経済の実現に貢献するため、サプライチェーンのデジタル・トレーサビリティ・プラットフォームを有するパートナーを探していた。
 一方で、サーキュライズ社は、「ゼロ知識証明(ZeroーKnowledge Proof)」を活用した独自の「Smart Questioning」技術をベースに、匿名性と透明性を両立させた信頼性の高いトレーサビリティ管理システムを開発しており、同システムを普及に向けて協業するパートナーを探していた。
 こうした中、同社は、サーキュライズ社が保有する高い技術およびノウハウと、同社の循環型経済の実現に向けた取り組みを融合させることで、サプライチェーン全体における資源の効率的かつ有効な利用を推進し、2050年カーボンニュートラルに貢献できると考え、同社への出資を決定した。
 同社は、サーキュライズ社が保有するデジタル・トレーサビリティ・プラットフォームを活用し、自社が生産する製品やサービスが関わるサプライチェーンの透明性や信頼性の向上を図る。また、デジタル・トレーサビリティ・プラットフォームを通じて、サプライチェーン上のあらゆる製品に関わるCO2排出量を把握し、環境負荷のより低い原料を調達することにより、顧客が求める循環型経済の実現に貢献する新しい製品やサービスの開発を進める。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー