旭化成、三井化学、三菱ケミ 脱炭素へ共同検討開始

2024年05月09日

ゴムタイムス社

 旭化成は5月8日、三井化学、三菱ケミカルと同社が、西日本に各社が保有するエチレン製造設備について、カーボンニュートラルを推進し、脱炭素社会をリードするため、原燃料転換などの検討を共同で進めることを決定したと発表した。
 エチレン製造設備は、石油化学産業の上流に位置する。そこから製造される基礎原料を用いて生産される素材は、生活用品、自動車、半導体などさまざまな産業にて使用され、人々の生活を支える重要な基盤となっている。一方でこれらの製造過程において多くの化石資源を消費する設備であるため、GHG排出量の削減が大きな課題となっている。
 政府が掲げる2050年までのカーボンニュートラル実現に向け、同社、三井化学、三菱ケミカルの3社はそれぞれ、GHG排出量の実質ゼロ化を目指すカーボンニュートラル方針を掲げて、エネルギー使用量削減や原燃料の低炭素化に関する技術開発と実装を進めている。
 しかしながら、各社単独での取り組みでは実装化のスピードやGHG削減の効率性に限界があり、近接する複数の石油化学メーカーが、相互の技術提供、カーボンニュートラルに資する方策の共同実行などを通じて連携する必要性が高まっている。
 今回の共同検討は、西日本に拠点を有する3社が地区を超えて連携することにより、エチレン製造設備、さらには各社の保有する石油化学製品のグリーン化をより迅速かつ効率的に進めようとするものとなっている。
 今後3社は、石油資源に代わるバイオマスの原料化、低炭素燃料への転換など、グリーン化に資する具体的な方策並びに将来の最適生産体制の検討などに取り組んでいく。

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