旭化成、結晶セルロース生産決定 発がん性物質生成リスク低減

2024年02月28日

ゴムタイムス社

 旭化成は2月27日、結晶セルロース「セオラス」の粉体グレードにて亜硝酸濃度0・1ppm以下の規格化を決定したと発表した。これに基づき2024年7月より経口固形製剤における発がん性物質であるニトロソアミン類の生成リスクを低減した医薬品添加剤を生産する。
 また、セオラス第2工場(水島工場)の建設が完了し、2024年1月より製品供給を本格化した。
 同社のライフイノベーション事業本部ヘルスケアマテリアル事業部では、宮崎県延岡市で主に医薬品や健康食品の賦形剤として用いられる結晶セルロース「セオラス」を製造している。1970年に結晶セルロースを販売開始し、50年以上にわたって顧客の多様なニーズに合わせた技術開発や品質改善への取り組みを行ってきた。中でも独自技術を用いて成形性と流動性をそれぞれ向上させた高機能グレードである「KGグレード」「UFグレード」はより高い評価を受けている。
 昨今、原薬や製剤製造に用いる添加剤の品質や安全性が改めて問われている。中でも原薬製造過程や製剤中に発がん性物質であるニトロソアミン類が生成する事象などが国内外で重大なリスクとして注目を集めており、そのリスク低減が課題となってきた。
 近年、日本や米国、欧州において、高血圧症治療薬に用いられるバルサルタンなどから、発がん性物質であるN―ニトロソジメチルアミンなどのニトロソアミン類が検出され、一部の製品が自主回収されている。ニトロソアミン類は、2級・3級アミンを含む原薬製造に用いる原材料(原料や添加剤、溶媒を含む)と、原薬や医薬品添加剤に不純物として含有する亜硝酸塩類が一部の製剤製造工程または製剤中に共存することが生成の一因であるということが明らかになってきた。そのため、同社はこのニトロソアミン類の生成リスクを軽減する方法の1つとして、医薬品添加剤中の亜硝酸塩含有量を下げることが有効であると考えている。
 水島工場は、2024年1月より製品供給を本格開始した。これにより、既存の東海工場(宮崎県延岡市)と2拠点からの製品供給が可能となり、キャパシティの拡大とともに、BCPの観点においてもより堅固な供給体制を実現します。それに加えて、今回の規格化により、発がん性物質であるニトロソアミン類の生成リスクを低減した医薬品添加剤の生産を進めていく。
 同社は、今回の規格化決定を契機に、国内外の顧客に対しニトロソアミン対策の一助として「セオラス」の有効性を伝えていくとともに、今後もさらなる品質向上を目指して研究開発を進め、これまで以上に世界の人びとの「いのち」と「くらし」に貢献していく。

水島工場

水島工場

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