合成ゴム特集 大阪ソーダ ラクレスターは新規増加へ 他材料の切り替えも伸長

2024年01月03日

ゴムタイムス社

 大阪ソーダの機能材事業部は、エピクロルヒンドリンゴム「エピクロマー」をはじめ、アクリルゴム「ラクレスター」、シランカップリング剤「カブラス」、合成樹脂のダップ樹脂、ノンフタレート型アリル樹脂、アリルエーテル類などを取り扱っている。
 機能化学品の上半期を振り返ると、アリルエーテル類における同社アリルクロライド製造設備の主要機器不具合による出荷調整と、需要低迷が大きく影響し、売上高は134億7700万円で同11・3%減となった。
 機能化学品のうち、エピクロマーは「自動車向けでは、インドの環境規制強化で他材料からの切り替えが進んだ」(同社)。
 自動車生産は回復しているものの、欧州や中国市場はまだ回復しきっていない状況だ。OA市場も国内外で厳しい状況が続いているという。ただ、為替の影響もあり、エピクロマーの上半期の売上は前年同期を上回り、数量は横ばいとなった。
 ラクレスターについては、新規採用も獲得でき、着実にシェアを拡大している。数量については「上半期は計画通りに伸ばせた。アジアは堅調で、欧州での採用も進んだ」(同)。
 カブラスでは、タイヤ需要の回復により、数量は前年同期に比べて伸ばしている。
通期では、自動車生産台数の回復がさらに進むと見ているが、下期に向けては、中国での景気回復の遅れが懸念される。「エピクロマーはOA向けが厳しい環境だが、自動車向けではインドは上半期に引き続き堅調に推移するだろう。上半期の数量を維持しながら、シェア拡大を目指していく」(同)と捉えている。また、ラクレスターについては、「新規採用を中心に、数量は上半期よりも伸びていく」(同)と見込んでいる。「エピクロマーの他種ゴムからの切り替え促進や新規用途開発の強化」と、「アクリルゴムの新規採用拡大」を課題に挙げ、下半期も引き続き取り組んでいく。
 製造設備不具合により公表を延期していた新中期経営計画「Shape the Future-2025」が11月に発表された。基本方針として、①既存事業の継続的基盤強化、②新製品創出力の強化、③サステナビリティ経営の推進を掲げている。機能化学品は、既存事業の継続的基盤強化として、グローバルニッチトップ製品の市場深耕とアクリルゴムやノンフタレート型アクリル樹脂の拡販による事業規模拡大を目指していく。
 機能化学品のうち、合成ゴムの重点施策として、新規用途開拓と新規グレードの拡充、技術支援体制を強化、アクリルゴム市場でシェアを拡大に取り組むとしている。

注力するラクレスターの用途例

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