LenovoノートPCに採用 東レのリサイクル炭素繊維

2023年12月18日

ゴムタイムス社

 東レは12月15日、同社が製造する炭素繊維「トレカ」を使用したボーイング787の主翼製造工程で発生するCFRP(炭素繊維強化プラスチック)工程廃材からバージンCF対比低カーボンフットプリント(CFP)となる燃焼リサイクル技術によって取り出したリサイクル炭素繊維(rCF)を熱可塑性樹脂の補強材として使用したrCF強化樹脂が、Lenovoのノートブックパソコン「ThinkPad X1 Carbon Gen12」に採用されたと発表した。同社は今後もLenovoとともに、rCFの採用機種の拡大を進める。
 同社のリサイクル技術開発は、ボーイングの製造工程での固体廃棄物低減とリサイクル可能な航空機を製造したいという思いとLenovoの低CFPかつ資源循環に資する素材を活用したいという思いを結びつけることができ、航空機に使用された高性能CFをリサイクルして超軽量PCを作るに至った。
 同社が製造販売する炭素繊維トレカは、軽量で高強度かつ高剛性の特徴を活かし、航空機用途をはじめ、電気・電子機器の筐体やスポーツ用途、産業用途などに向けて幅広く展開している。また、炭素繊維のリーディングカンパニーとして、カーボンニュートラル(CN)に向けて、①ユーザーの製品のLCA改善効果の定量化②同社製品(CF・プリプレグなど)のLCI削減、③マテリアルEco-SYSTEM(リサイクル・バイオ原料活用)の促進を進め、積極的な発信を推進する。
 特に、CFはリサイクルを行っても主要な力学特性が低下しにくい特徴があり、率先してリサイクル技術開発と事業基盤の確立を進める。リサイクル炭素繊維はバージン品よりも低CFPとなることから、ユーザー製品のCFP改善や、埋め立て廃棄物削減による循環型経済(CE)促進に向けて、積極的に提案していく。
 同社は、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」において、「資源が持続可能な形で管理される世界」を、2050年に目指す世界の1つとしている。今後も、持続可能な循環型社会を実現するために研究・技術開発を推進し、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んでいく。

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