ポリマーTECH Vol.19

2023年12月07日

ゴムタイムス社

ゴム・プラスチックの技術専門誌

『ポリマーTECH』は、年4回の季刊発行で、業界専門紙が持つネットワークを活かしたテーマ別の特集をはじめ、技術者インタビュー、活躍する理系女子、最新技術・製品の紹介、ゴム・プラスチック業界に従事する方に役立つコラムなど、ゴム・プラスチックの業界の変化を捉えた情報をお届けいたします。
 ゴム・プラスチックの技術開発に携わる方ばかりでなく、販売や営業に携わる皆様が最新の技術動向への理解を深めるための一冊としてもご活用いただける技術雑誌となっております。
 ゴム・プラスチック業界の発展に向け、新しい取り組みのヒントになる情報を発信してまいります。

  • 判型:B5判118頁
  • 価格:本体2800円+税
  • 送料:350円+税
  • 定期購読:価格11000円(年4回発行)+税
    ※送料は4回分の送料(200円+税×4回)が別途かかります。
  • 発売日:2023年11月
  • 著者:ゴムタイムス社編
  • ISBN:978-4-908565-68-7

特集1
エラストマーの最新技術動向

◎生体の軟組織類似の力学物性を示す複合エラストマー
 名古屋大学工学研究科 竹岡敬和
 筆者は、低架橋網目とシリカ微粒子を複合化する技術を新たに取り入れて、生体適合性と生体軟組織の力学特性を兼ね備えたソフトマテリアルを開発した。このソフトマテリアルは、血小板などの血液凝固に寄与する物質が吸着しにくいため血栓を形成しづらいことに加え、血管の内側に存在する血管内皮細胞は接着することから、生体適合性が非常に高い。さらに、細い血管等の生体軟組織と同様の力学特性を有することから、少しの変形には非常に柔らかく振る舞うが大きな変形は防ぐ。そのため、突然の破壊が生じない力学特性を示す。このソフトマテリアルを、その必要性が認識されてから70年経った今でも実現できていない小口径人工血管へ応用することを目指す。

◎テンダーX線小角散乱法を利用したゴム材料の構造解析
 高エネルギー加速器研究機構 高木秀彰
 放射光施設PFのBL-15A2には世界的にもユニークなテンダーX線専用のSAXS装置が常設されている。テンダーX線には従来の硬X線とは異なりゴム構造の新しい知見を得る可能性が秘められている。本稿では装置といくつかの使い方を紹介する。

◎ポリエステルエラストマー「ハイトレルR」新規機能グレード開発と応用展開
 東レ・セラニーズ㈱ 中尾優一
 本稿ではポリエステルエラストマー「ハイトレルR」の特長並びに、特性や価値を付与した新規機能グレードとして、意匠用途に適した「透明グレード」、金属やガラスなどと接合可能な「異種材接合グレード」、耐熱性と耐加水分解性を両立させた「高耐熱、耐加水分解グレード」、及び「抗菌抗ウイルス性特殊グレード」について紹介する。

◎ABSORTOMERR(アブソートマーR)』の紹介とエラストマー材料との複合化事例について
 三井化学㈱ 小助川陽太
 より快適な空間を創出するための音響・振動制御技術の研究が行われている。本稿では、応力吸収性、制振性に優れるオレフィン系熱可塑性ポリマーABSORTOMERR(アブソートマーR) の特徴と他エラストマー材料との配合事例、および制振性能について紹介する。

◎耐熱性、耐油性、シール性に優れる熱可塑性エラストマー「ノフアロイR TZシリーズ」
 日油㈱ 巻口琢郎
 当社独自のグラフトポリマー合成技術を応用し、耐熱性、耐油性、シール性を併せ持つ熱可塑性エラストマー「ノフアロイR TZシリーズ」を開発した。ノフアロイRTZシリーズは、自動車部品をはじめとした加硫ゴムの代替材として使用可能である。

◎サスティナブルなスチレン系エラストマーの紹介(リサイクル材向け「CirKular+」および100%再生可能原料由来「ReNew」)
 クレイトンポリマージャパン㈱ 加藤博
 PCRおよびPIRのリサイクル化向けに開発したスチレン系ブロックコポリマー「CirKular+」と、ISCC PLUS認証に基づいて開発された業界初の最大100%再生可能な原料を使用したスチレン系ブロックコポリマー「ReNew」シリーズについて紹介する。 

◎環境配慮型熱可塑性エラストマー 「GRiNABLER(グリネーブル)」の開発と特徴
 アロン化成㈱ 酒詰康孝
 近年、地球温暖化など様々な環境問題への注目が高まりから、環境負荷削減を目指した材料開発が盛んに行われている。本稿では、カーボンニュートラルを目指した当社のバイオマスエラストマー材料について紹介する。 

特設記事
機能性フィルムの最近の技術動向
 信州大学 湊遥香、 鈴木大介

力学応答性分子を有するマルチネットワークポリマーの強靭化と高感度メカノクロミズム
 東京工業大学 大塚英幸

特設コラム
トヨタ自動車に見るものづくり変革の状況 第3回 完熟期(1986‐2010年代)のトヨタ自動車のクルマ開発状況
 ㈱武藤技術研究所 武藤 一夫

連載
各種プラスチックの耐久性シリーズ~大石研卒研生の耐久性研究の紹介~第1回
神奈川大学名誉教授 大石不二夫

Interview
活躍するリケジョ  バンドー化学㈱ 吉田有沙
団体インタビュー 塩化ビニル管・継手協会 鈴木謙次郎専務理事

データ
3月・4月・5月のプラスチック統計
プラスチック製品生産・出荷・在庫/プラスチック原材料生産・出荷・在庫統計/プラスチック製品生産品目別消費内訳/カセイソーダ生産・出荷・在庫/可塑剤需給実績/プラスチック加工機械生産実績/エチレン用輸入ナフサ通関実績/エチレン換算輸出入実績/プラスチック・ゴム加工機械輸出入実績/PSP出荷実績/PVC・VCM生産・出荷実績/主要石油化学製品生産実績/MMA生産・出荷・在庫実績/プラスチック・ゴム金型生産・出荷実績/酢ビモノマー・ポバール需給実績/ABS樹脂出荷実績/ポリプロピレンフィルム出荷実績/エチレン生産速報/ポリオレフィンフィルム出荷状況
3月・4月・5月のゴム統計
ゴム製品生産・出荷金額/自動車タイヤ・チューブ生産、出荷、在庫実績/主要ゴム製品輸入金額/主要ゴム製品輸出出荷金額/輸入ナフサ価格の月別推移/合成ゴムの生産実績/ゴムホース生産実績/再生ゴム出荷金額の推移/カーボンブラック品種別実績/有機ゴム薬品出荷量の推移/ゴムベルト生産実績/樹脂ベルト生産実績

次号予告

ポリマーTECH Vol.19

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