鉱山ソリューション新サービス ブリヂストンが提供開始

2023年11月10日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは11月9日、BHP社がチリに保有するPampa Norte Spence鉱山(Spence鉱山)にて、独自開発したアルゴリズムを活用したタイヤ耐久予測によって最適なタイヤのメンテナンスタイミングや走行ルートを提供する鉱山向け新ソリューションサービスの提供を2023年7月から開始したことを発表した。
 同社は、新たなプレミアムとする鉱山用車両タイヤ「ブリヂストン マスターコア」を軸に、強いリアルとデジタルを組み合わせて、鉱山オペレーションの最適化へ貢献する鉱山ソリューションの展開に取り組んでいる。同サービスでは、新たな鉱山ソリューションの挑戦活動として、現物現場で培ってきたタイヤに関する膨大な経験・知見とAIなどデジタルの融合を駆使した独自のアルゴリズム構築を軸に、従来のタイヤ摩耗予測を強化したい旧予測へとソリューションを進化させています。鉱山事業者の大きな困りごとであるタイヤの熱起因故障を未然防止するため、ユーザーとの信頼をベースに鉱山車両情報も共有しながら、鉱山車両向け次世代タイヤモニタリングシステム「ブリヂストンiTrack」から取得できるタイヤの温度や空気圧、車両位置情報や走行速度などのデータやタイヤ装着履歴をもとに、AIを活用した独自のアルゴリズムによるタイヤ耐久を予測し、最適なタイヤメンテナンスタイミング、車両運行ルートを提供する。これにより、タイヤにかかるコスト削減や、車両のダウンタイム削減といった鉱山オペレーションの生産性、経済価値の最大化へ貢献していく。また、タイヤを安全に長く使用することでタイヤ使用本数を削減でき、資源生産性の向上によるサステナビリティへの貢献も実現する。
 今回導入するSpence鉱山では様々なモノの電動化に必要不可欠な材料である銅を生産し、電気自動車や住宅、家電などに使われている。銅は今後数十年高い需要が見込まれており、確実で効率的な供給を行う為に鉱山での生産性の向上が求められている。その様な中、タイヤが予期せぬダメージを受けることで発生する計画外の修理・タイヤ交換などのメンテナンスが、非効率な車両運行オペレーションやコスト増へ繋がると共に、環境負荷増の要因になっていた。そこで同社は、タイヤの最適なメンテナンスタイミングを知らせるサービスと広範な温度環境下での適正なな内圧充填をサポートするツールの提供を開始した。このメンテナンスタイミング通知サービスは、同社内で育成したデジタル人材が独自のアルゴリズムとして開発したものを活用しており、「ブリヂストンiTrack」で取得したデータとSpence鉱山の車両運行管理データ、同社の持つタイヤに関するリアルの知見を基に、タイヤ一本一本の状況を分析し、ユーザーへ最適なメンテナンスタイミングを通知している。
 同社は、デジタルとサービスを組み合わせた鉱山ソリューションを提供することで、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」で掲げる「Efficiency モビリティを支え、オペレーションの生産性を最大化すること」、「Ecology 持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐこと」にコミットしていく。

鉱山現場での作業風景

鉱山現場での作業風景

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