アジアの産業資材事業は増益 クリヤマHDの1~9月期

2023年11月09日

ゴムタイムス社

 クリヤマホールディングスの2023年12月期第3四半期連結決算は、売上高は551億5500万円で前年同期比2・6%増、営業利益は34億4200万円で同3・2%増、経常利益は38億7800万円で同5・4%増、四半期純利益は27億1800万円で同1・6%増となった。
 アジア事業の産業資材事業の売上高は133億500万円で同1・3%減、営業利益は19億6800万円で同7・6%増。売上高は減少したが、価格転嫁の進展や製品ミックスの改善により増益となった。主要顧客である日系建機・農機メーカーへのゴム・樹脂商材の新規採用品目が増加した他、顧客の生産台数が回復基調に転じたことから国内自動車向け関連商材の販売が好調に推移した。一方で欧州乗用車メーカーの生産台数が想定を下回った影響から尿素SCR商材の販売が減少となった。

 アジア事業のスポーツ・建設資材事業の売上高は64億5900万円で同19・4%減、営業利益は1億3700万円で同66・9%減となった。スタジアム、体育館などの文教施設における改修、新設物件への営業強化が奏功し、「モンドトラック」(陸上競技用全天候舗装材)及び体育館用床材「タラフレックス」(弾性スポーツシート)の販売が増加した。また、鉄道の駅舎案件の受注に伴い、「エンシン階段」の販売が増加した。一方、国内の商業施設で使用される「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)は民間の大型設備投資案件が一巡したことから販売が減少した。
 北米事業の売上高は304億9200万円で同8・5%増、営業利益は18億9000万円で同11・6%増となった。景気後退の懸念を背景に一部の市場で在庫調整期に入りつつあるものの、物流機能の最適化に向けた取り組みが各種ホース・継手の販売機会を獲得する契機となった。さらに円安の影響が加わり、損益面では支店倉庫の新設や移転、機能改善に伴う費用が発生したが、一部の原材料費が低減されたことや物流費の適正化が進んだ。

 欧州・南米事業の売上高は43億7700万円で同21・1%増、営業利益は4億2500万円で同45・4%増となった。
 23年12月期通期の連結業績予想は、売上高710億円で同0・7%減、営業利益42億円で同7・9%減、経常利益46億円で同7・5%減、当期純利益33億円で同9・3%減を見込んでいる。

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