新倉庫とラボ棟を開設 ランクセス、豊橋事業所

2023年10月11日

ゴムタイムス社

 ランクセスは10月10日、今年10月4日(水)、愛知県豊橋市にある豊橋事業所内に新しい倉庫及び品質管理(QC)ラボ棟を開設したことを発表した。新しい倉庫はガラス繊維を用いた新しい膜素材を使用し、従来の工法で建設された倉庫と比較して、建設にかかる期間を約60%、コストを約40%削減し建設された。
 同社のラインケミービジネスユニットは、愛知県・豊橋市に製造施設および品質管理(QC)ラボを運営している。新しい倉庫は今後、同ビジネスユニットが製造するゴム添加剤製品および原材料の保管の拠点となる。新しいラボ棟もまた、主に国内の顧客向けに製品の品質管理の役割を担う。
 同社の新しい倉庫施設は、約330平米の広さで、太陽工業のガラス繊維を使った塩化ビニル(PVC)をベースとした膜素材「CMX220」を使用したテント構造を採用している。この軽量でシンプルな構造を採用したことで、従来の工法で建てられた倉庫に比べ、建設にかかる期間が約60%、コストが約40%削減された。太陽工業の膜材には酸化チタン(TiO2)コーティングが施され、光触媒作用による優れた防汚機能により、高い透光性を長期に渡り確保することで、倉庫内の明るさを確保し、日中の照明を最小限に抑えることが可能となる。また、この膜材は、日射の反射率が75%以上と高く、倉庫内の温度上昇を大幅に抑制できることから空調効率が向上し、照明や空調にかかる消費電力の削減にも貢献する。
 同社の豊橋事業所は、大手自動車メーカーや化学メーカーの製造拠点が多く立地する愛知県豊橋市の明海(あけみ)臨海工業地区に位置し、1984年の設立以来、約40年間に渡り事業を行ってきた。豊橋事業所内にあるラインケミービジネスユニットの製造拠点では、グラニュール、チップ、シートなど様々な形状の高品質な予備分散ゴム薬品「レノグラン」と「レノスラブ」を製造している。「レノグラン」および「レノスラブ」は豊橋事業所において1990年より製造されており、主に国内のタイヤ、テクニカルラバー、自動車、機械、靴、パーソナルケア、建設業界の顧客向けに提供している。また、併設の品質管理(QC)ラボでは、事業所内で製造された製品サンプルの密度、硫黄分、灰分、ムーニー粘度、分散など、厳格な基準に基づいて品質試験を実施し、製品の品質管理を行っている。同拠点ではその他に、液体高純化テクノロジーズ・ビジネスユニットのカスタマー・テクニカル・サービス・センターを運営している。
 同社のラインケミービジネスユニットは、ゴム添加剤およびシステムソリューションの世界有数のサプライヤー。タイヤ、ゴム加工、自動車部品など、様々な産業及び用途で使用される幅広い製品を提供している。これらには、加硫剤やゴム添加剤(予備分散ゴム薬品、およびその他の形態)、加工助剤、加硫戻り防止剤、酸化亜鉛、老化防止剤、素練り促進剤、離型剤、タイヤ用マーキングペイントといった包括的なポートフォリオが含まれる。

新設された倉庫および品質管理ラボ棟

新設された倉庫および品質管理ラボ棟

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