レゾナックがクリーニングシート開発 冷蔵不要の半導体モールド

2023年09月04日

ゴムタイムス社

 レゾナックは9月1日、常温で保管可能な、半導体パッケージのモールド金型を洗浄するクリーニングシートを開発したと発表した。(特許出願済み)
 近年、AIや自動運転など様々な分野で使用される半導体は、通常、ICチップや内部配線を一括でモールド封止した半導体パッケージと呼ばれる形態で使用される。
 半導体をモールド封止した後の金型はモールド樹脂材料が付着して残るため洗浄し、その後、次のモールド材注入に備えてコンディショニング(離型剤塗布)する。
 同社はモールド金型の洗浄用、およびコンディショニング用のクリーニングシートシリーズを各種ラインナップし販売している。
 従来品の保管や輸送は要冷蔵だったが、豊富な知見・ノウハウにより、構成材料を見直し、カーボンニュートラル実現に貢献する常温保管可能のN-CS-7500(洗浄用)および N-CS-3700(コンディショニング用)を開発した。
 同社のN-CS-7500とN-CS-3700を使用することで、一般的なメラミンクリーニング樹脂を使用したときに比べ 工程を少なくでき、クリーニング時間が約1/3に短縮される。
 同社は、今後も、ユーザーの製造プロセスまで視野に入れた環境対応製品をご提供することで、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えている。
 同社グループは、2023年1月に昭和電工グループと昭和電工マテリアルズグループ(旧日立化成グループ)が 統合してできた新会社。半導体・電子材料の売上高は、全体の3割にあたる約4000億円に上り、特に半導体の「後工程」材料では世界No・1の企業となる。
 2社統合により、材料の機能設計はもちろん、自社内で原料にまでさかのぼって開発を進めている。新社名の「Resonac」は、英語の「RESONATE、共鳴する・響き渡る」と、 Chemistryの「C」の組み合せとなる。
 今後さらに共創プラットフォームを生かし、国内外の半導体メーカー、材料・装置メーカーとともに技術革新を加速させる。

半導体パッケージ

半導体パッケージ

製品写真

製品写真

金型に配置したクリーニングシート

金型に配置したクリーニングシート

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