住友ゴム、住友理工ら3社で協業 循環経済実現に向けた新技術に参画   

2023年08月04日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は8月3日、住友理工、住友電気工業と協業してサーキュラーエコノミーの実現に向けたリサイクル技術の開発に取り組むと発表した。住友理工は22年11月に炭素回収・変換技術を有する米国のバイオ技術会社Lanza Tech(ランザテック社)との共同開発契約の締結を発表しているが、この共同開発に住友ゴム工業と住友電工が参画することとなった。3社が協業してランザテック社との開発に取り組むことで、ゴム・樹脂・ウレタン・金属などの廃棄物のサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行に向けた新たな技術を確立し、当社独自の循環型ビジネス構想「TOWANOWA」で目指すカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを加速させていく。
 同社は循環型ビジネス構想「TOWANOWA」で、限りある資源を循環させて有効利用するとともに、独自のビッグデータ活用によりお客様に新たな価値を提供し、持続可能で安全、安心、快適な社会の実現に貢献することを目指している。
 今回の取り組みでは、原材料のサーキュラーエコノミーの実現に向けてもう一歩踏み出し、住友理工、住友電工とともに、ランザテック社との新技術の開発を推進する。具体的には、ランザテック社が有する「微生物による生合成技術」を活用し、タイヤなどの廃棄物をガス化・ガス精製した後、微生物による生合成反応を経て、新たにゴム原料となるイソプレンを生産することを目指す。最終的には、原料メーカーとの協業を進め、イソプレンを再び、ゴム・樹脂として利用するリサイクル技術の確立も視野に入れています。また、廃棄物をガス化する過程で回収した金属をリサイクルし、原材料として再利用することを検討している。
 同社グループでは、さまざまな種類のタイヤをグローバルで製造販売しており、販売本数は年間1億1000万本に上る(22年実績)。新たなタイヤが製造・販売される一方、毎年多くのタイヤが廃棄され、日本では廃タイヤの多くが燃焼され熱利用されています。 循環型ビジネス構想「TOWANOWA」で掲げるサーキュラーエコノミーを実現するためには、タイヤ事業で「回収・リサイクル」の取り組みを進め、廃タイヤを有効な資源として再利用できるシステムを構築することが不可欠であり、今回の協業はリサイクル技術の研究開発の一環となっている。
 サステナブルな社会の実現は個社の取り組みだけで達成することは困難であり、業界内にとどまらず産学官の多くのステークホルダーとの連携が必要になる。当社は、今後も循環型ビジネス構想「TOWANOWA」の各プロセスの取り組みを加速させ、データ活用で社内の開発を効率化するとともに、外部のさまざまなステークホルダーとつながることで新しい情報や技術を共有し、社会課題の解決やサステナブルな社会の実現に貢献していく。

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