出光興産が生産能増を決定 固体電解質小型実証プラント

2023年06月20日

ゴムタイムス社

 出光興産は6月19日、全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)の普及・拡大へ向け、固体電解質の小型実証設備第1プラント(稼働開始2021年11月)の生産能力を増強すると発表した。完工時期は24年度内を計画するとしている。
 加えて同年7月より小型実証設備第2プラントの稼働も開始し、全固体電池の開発を進める自動車・電池メーカーなどへ、同社の固体電解質を着実に供給していく。
 次世代型の電池の本命とされる全固体電池は、主に電気自動車(EV)における航続距離拡大・充電時間の短縮・安全性向上が期待されている。自動車・電池メーカー等は開発を加速させており、それに伴い材料ニーズがより一層高まっている。
 同社は、全固体電池およびそれを搭載したEVの実用化に向け必要不可欠な固体電解質の性能の向上および量産技術の開発を加速させ、質と量の両面で応えることで、全固体電池の普及・拡大に貢献していく。
 小型実証設備(第1プラント、第2プラント)で製造したサンプルを活用し、自動車・電池メーカー等のニーズを把握しながら開発を推進することで、迅速に適切な材料仕様を作り上げる。そして、小型実証設備での実証を足掛かりに、次のステージとなる大型パイロット装置での量産技術の確立とその先の事業化へつなげる計画となる。また、材料メーカーと共同開発にも取り組み、新しい高性能材料の開発も行っている。
 なお、事業化へ向けては、日本のみならず、グローバル目線での自動車・電池メーカーや材料メーカーとの共同取り組みを強化するため、Idemitsu Research and Business Development Europe(スイス・バーゼル)、Idemitsu Advanced Materials Korea(韓国・京畿道烏山市)、Idemitsu Americas Holdings Corporation(米国・カリフォルニア州サンノゼ)の同社拠点を窓口・接合点として活用する。
 同取り組みは、電気自動車(EV)や蓄電池などの普及拡大に寄与するものであり、3つの事業領域における「一歩先のエネルギー」、「多様な省資源・資源循環ソリューション」に向けた取り組みと位置付けている。
同社グループは今後も技術の力で、産業活動・一般消費者向けのカーボンニュートラルソリューションを提供し、カーボンニュートラル・循環型社会の実現に貢献していく。

今回能増する第 1 プラント外観

今回能増する第 1 プラント外観

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