ランクセスが米で ベンジルアルコールの生産能力倍増

2023年06月14日

ゴムタイムス社

 ランクセスは6月13日、南北アメリカ地域で確立した顧客基盤の成長を支えるため、米国ワシントン州カラマの拠点で、ベンジルアルコールの生産能力を倍増したと発表した。
 この生産能力の拡大は、さまざまな技術的改良の成果により実現した。
 同社のフレーバー&フレグランス(F&F)ビジネスユニットの責任者であるホルガー・ヒュペラーは「革新的な精製プロセスにより、ランクセスはベンジルアルコールの世界的なトップメーカーとなった。現在、カラマ拠点は、高純度のベンジルアルコールを生産する世界4拠点に展開する製造拠点網における、中心的なハブとして機能している。」と、述べている。
 カラマの生産能力を倍増することで、同社は世界各国への迅速な配送を実現し、地政学的な不確実性の高まりに対処できる強靭なサプライチェーンを提供する。
 ベンジルアルコールは、防腐剤、溶剤、香料固定剤、中間体として使用し、揮発性が低く毒性が低いため、高い評価を受けている。心地よい穏やかな香りの無色の液体は、ユーザーのあらゆるニーズに適している。
 非経口用グレードは、純度99・9%で、注射液用防腐剤など医薬品としての最高品質を確保している。NF/FCCグレードは、米国国民医薬品集(NF)と食品用公定化学品集(FCC)の要件を満たす化学物質に与えられ、家庭用ケア製品や化粧品用製品に有効な高純度の防腐剤となる。
 安定した香りのプロファイルは、香料や食品香味料の製造に役立つ。また、ベンジルアルコールは、技術的用途では溶媒として使用することも可能となる。工業用グレードのベンジルアルコールは、化学合成における優れた溶媒であり出発物質となる。
 同社は、クレフェルト・ユルディンゲン(ドイツ)、ボトレック(オランダ)、ナグダ(インド)の拠点でも、ベンジルアルコールの生産を行っている。
 同社のF&Fビジネスユニットは、香料、保存料、動物用栄養製品において、世界で最も幅広いポートフォリオの開発と製造を行っている。
 F&Fが提供する物質は、化粧品や家庭用ケア製品、洗剤や洗浄剤、飲料、焼き菓子、キャンドル、オイル、動物用栄養製品など、さまざまな日用消費財に使用している。ポートフォリオには、製薬、農薬、建設など工業用の特殊化学品も含まれている。
 F&Fビジネスユニットは、世界3大陸の5ヵ所に生産設備を有している。
 各拠点は、「ISCC Plus」認証を受けている。これらの拠点は、同ビジネスユニットの持続可能性への強いコミットメントを反映し、グリーン電力と持続可能な原材料の使用を通して、2023年末までに、製品ポートフォリオ全体において、認証されたマスバランス法に基づくグリーン原料由来の製品を提供予定となる。
 F&Fビジネスユニットは、約750名の従業員を擁し、2022年に約2億ユーロの売り上げを達成した、同社のコンシューマープロテクション部門に属している。
 これは、ドイツ・ケルンで5月25日に発表されたリリースをもとに、同社が発表したもの。
 同社は、世界33ヵ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカー。2022年の総売上は81 億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約1万3200人、主な事業は、中間体、添加剤、コンシューマープロテクション製品の開発、製造とマーケティングとなる。
 同社は、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄となる。

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