住友化学とリバーが業務提携 プラスチックのマテリアルリサイクルで

2023年04月27日

ゴムタイムス社

 住友化学とリバーは4月26日、使用済み自動車から得られる廃プラスチックのマテリアルリサイクルに向けた業務提携契約を締結したと発表した。
 同提携を通じ両社は、資源回収から分別、再資源化に至る一連のシステムを構築し、自動車業界のみならず社会全体で喫緊の課題となっているプラスチックリサイクルの早期の事業化を目指す。
 2050年カーボンニュートラル実現に向けたさまざまな取り組みが進む中、日本の基幹産業である自動車業界でも資源循環の取り組みの重要性が高まっている。
 特に、使用済み自動車を解体して得られるプラスチックをリサイクルして使用する動きは活発になっており、国などが制度化を進めている「資源回収インセンティブ制度」によって、さらに加速することが予想される。
 リバーは、年間約24万台の廃自動車の破砕・選別を行っている総合リサイクル企業であり、両社は2021年6月からプラスチックの資源循環システム構築に向け、共同での検討を進めてきた。これまでに、廃プラスチックの回収方法や再資源化のプロセス、環境負荷評価などを検証した結果、高品質な再生プラスチックの生産・供給に一定のめどがついたことから、さらに協業関係を強化するため、業務提携することにした。
 このたびの業務提携によって、リバーは、これまでに培った使用済み自動車の回収や解体、選別などの工程を通じて、プラスチック原料となる良質な素材を安定的に住友化学に提供する。
 住友化学は、提供を受けた素材を活用し、自動車メーカーが求める高品質な再生プラスチックを効率的に商業生産するプロセスを確立していく。こうした協業によって、早ければ 2025年度にも自動車関連メーカーへの製品供給を目指すことにしている。
 また、ネットワークの拡大と事業化の早期実現のため、今後、両社によるジョイントベンチャーを設立することも検討する。
 今回の提携は、製品を製造・販売する「動脈企業」と使用済み製品を回収・処理する「静脈企業」が業種の枠組みを超えて本格的に連携するもので、両社は資源回収から再資源化までの一連のリサイクル体制を構築し、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していく。
 住友化学は、エッセンシャルケミカルズ、エネルギー・機能材料、情報電子化学、健康・農業関連事業、医薬品の5部門にわたり、幅広い産業や人々の暮らしを支える製品をグローバルに供給する日本の総合化学メーカー。2021年度の売上高は約2・7兆円、従業員数は約3万5000人となる。
 リバーは、金属リサイクル、自動車リサイクル、家電リサイクル、産業廃棄物処理、小型家電リサイクルなど様々なリサイクルを手掛ける関東を代表する総合リサイクラー。「地球を資源だらけの星にしよう。」をビジョンにカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの実現に貢献する。

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