三菱ケミのAN、導入が決定 完全人工光型植物工場

2023年03月27日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは3月23日、三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)の完全人工光型植物工場「AN(アン)」が販売開始後初めて、福井県おおい町に建設予定の植物工場に導入され、2023年10月より栽培を開始すると発表した。

 「AN」が初導入されるのは、タガヤスが福井県おおい町に建設予定の大型植物工場。タガヤスが野菜の生産・販売などの事業運営を行い、MCASはタガヤスに対し、種子・培地・液肥の販売、栽培指導を行う。

 「AN」は、高品質な野菜を収穫できることをコンセプトとして、徹底した栽培効率の向上を実現し、菌数の低減、生産原価の引き下げにも成功した、業務用に対応できる植物工場システムとなっている。同社は、今回の初導入を契機に、国内外で「AN」の販売を促進することで、食料供給の課題解決に貢献していくとしている。

 気候変動の影響を受けにくい植物工場は、農産物の安定供給の手段として、近年ますます注目を集めている。また、コロナ禍でテイクアウトやデリバリーなどの中食利用が増えたことにより、安定した品質で、菌や異物が少なく洗浄等の手間が削減できる野菜へのニーズが増加している。

 「AN」は、MCASがクレオテクノロジーと共同開発した完全人工光型植物工場システムで、定植した苗が栽培室内を自動で循環しながら成長し、作業者が栽培室内に入らずに収穫まで行うことができるため、菌や異物の混入リスクを低減させることができる。また、栽培室内の光や気流を制御することで、業務・加工用にも対応可能な高品質で丈夫なフリルレタスを生産することが可能となり、従来の同社完全人工光型植物工場と比較して、約3倍にあたる約300g/株以上のフリルレタスを、播種後45日程度で収穫することができる。

 

収穫したフリルレタス

収穫したフリルレタス

上がANのレタス

上がANのレタス

AN

AN

SDGsに対する貢献

SDGsに対する貢献

 

 

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