ポリフェノール共同事業化開始 DIC、米Debut社と

2023年03月23日

ゴムタイムス社

 DICは3月22日、バイオベンチャー企業のデビュー・バイオテクノロジー社(Debut社)と、新しいバイオプロセスで製造された化粧品・ニュートリション向けポリフェノールの共同事業化を開始したことを発表した。第一弾として、化粧品向け原料・製剤の製品化に向け、共同出資の下、2023年に米国にバイオ製造設備の建設を開始し、2024年に同社拠点を通じてグローバル販売を開始する。

 Debut社は、卓越した酵素探索・デザイン技術と、その酵素を用いたバイオ製造プラットフォーム(精密発酵、セルフリー合成)を有している。2021年7月より、同社とDebut社で開始した天然由来色素の新合成法に関する共同研究開発では、公知の方法より1000倍高い生産効率を達成し、同プラットフォームの有効性を実証している。今回の共同事業化では、化粧品・ニュートリション向けに、近年注目が高まっているポリフェノールの製造・販売を行う。

 既存の化粧品原料として多く使用されているポリフェノールは、植物から抽出される。しかし、有望な性能を示しているにもかかわらず、植物中の含有量が少ないことが多いため、コスト面からポリフェノール単体では商業的な利用がされてこなかった。

 今回の共同事業化では、このような有効成分をDebut社独自のバイオ製造プロセスで安定的に製造する。その結果、得られるポリフェノールは、極めて高濃度かつ高純度になる。ビタミンCなどの典型的な化粧品原料と比べ、肌に対して抗酸化性やアンチエイジングなどの多数の優れた効果を遺伝子レベルで示すことが確認されている。

 さらに、同バイオ製造プロセスは、従来の天然物から抽出する方法と比べ、水や土地の使用量を10分の1以下に低減し、抽出残渣などの廃棄物を大幅に削減することが可能となる。新たに製造・販売するポリフェノールは、環境に優しい製造プロセスによって、化粧品ブランドと消費者のサステナブルな原料への期待に応えていく。

 今回の共同事業化では、DICグループのグローバルな販売網を活用して、新たに開発されたポリフェノール製品を世界中のスキンケアブランドに提案・販売する。

 

共同事業化を開始

共同事業化を開始

 

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