東洋紡のFO膜が採用 浸透圧発電プラントに

2023年02月27日

ゴムタイムス社

 東洋紡は2月20日、同社の中空糸型正浸透膜(FO膜)が、デンマークのベンチャー企業SaltPower社が世界で初めて実用化に成功した浸透圧発電プラントに採用されたと発表した。デンマークのマリアージャにあるNobian社の製塩工場に設置され、2023年4月中に稼働を開始する予定。

 今回、SaltPower社が実用化に成功した浸透圧発電プラントでは、製塩工場で使用するため地下の岩塩層からくみ上げられた飽和濃度に近い高濃度の塩水と淡水との塩分濃度の差を利用し、100kw規模の発電を実現する。水分子を通し、塩分など一定の大きさ以上の分子やイオンを通さない性質を持つ同社のFO膜を隔てて高濃度の塩水と淡水を接触させると、浸透圧差により塩水側に水が移動し、流量が増加する。この流量の増加を利用してタービンを回すことで、発電する仕組みとなっている。

 同社のFO膜は、円筒形の圧力容器に高密度に中空糸を充填した半透膜の一種で、クロスワインド構造をはじめとする独自の内部構造により、高濃度の塩水と淡水の双方がFO膜内部で均一に流れ、浸透圧差から生じる流量の増加を、高効率に発電量に転換できる。また、海水淡水化向けRO膜の開発で培った技術により、優れた耐圧性能を備えるため、高効率な浸透圧発電に必要な高い運転圧力にも対応し、高い発電効率を維持することが可能となっている。これまで、SaltPower社などが運営する浸透圧発電のパイロットプラントにも採用されており、実証実験を重ねてきた結果、今回の実用化に至った。

 SaltPower社は今後、地下から塩水を汲み上げる方式を採用する製塩工場や、塩の電気分解を伴うクロール・アルカリ製品のメーカー向けに応用可能な浸透圧発電システムを、欧州地域で積極的に展開していくことを計画している。

 同社は今後もSaltPower社と共同で、将来有望な再生可能エネルギーの一つである浸透圧発電の普及を支援するとともに、同社独自の中空糸膜技術を、低コストで環境負荷を低減する海水淡水化膜プラントや、工場排水の濃縮などに応用していくことにより、世界の環境課題の解決に貢献していくとしている。

 

浸透圧発電プラント

浸透圧発電プラント

浸透圧発電の仕組み

浸透圧発電の仕組み

中空糸型正浸透膜

中空糸型正浸透膜

クロスワインド構造

クロスワインド構造

 

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