環境配慮型繊維スリングを開発 東レインターナショナル

2022年08月19日

ゴムタイムス社

 東レインターナショナルは8月18日、重工業・自動車・土木建築等、あらゆる製造・物流・工事現場で、資材や貨物の吊り上げに使用される繊維スリング(吊り具)のシライスリングについて、国内で初めて(同社調べ)、リサイクルポリエステル糸を使用した環境配慮型繊維スリングを開発し、2022年9月から販売を開始すると発表した。販売数量は2023年度10万本/年、2025年度25万本/年を目標としている。

 繊維スリングは、ワイヤロープやチェーンスリングに比べて軽量で柔軟性に優れているため吊り荷を傷つけにくいメリットのほか、その取り扱いやすさから、作業の合理化や省力化に役立つ。そのため国内のさまざまな現場作業で使われており、その市場は今後も安定的な成長が見込まれている。昨今では、社会のサステナブルへの関心の高まりを受け、現場で使われる繊維スリングについても環境配慮型製品に対する要望が高まっている。

 従来の繊維スリング(ベルトスリング)には、主として高強力ポリエステル糸が使用されている。一方、現在流通している高強力ポリエステルのリサイクル糸は、一部、養生ネットなど土木建築資材用途にて使用されていたが、現状の性能(強度、伸度)では、繊維スリングに求められる性能を満たすことは困難だった。今回、東レグループの技術・開発力を結集し、繊維スリングに適した強度・伸度を持つ高強力リサイクルポリエステル糸の開発に成功したことで、従来の繊維スリングと同等の性能を保持し、環境に配慮した製品の開発・生産体制を確立した。

 同社は今後、既存の繊維スリング製品を順次、環境配慮型製品に転換し、作業現場における環境配慮型製品の幅広い用途への導入を図ることで、持続可能な社会構築の一翼を担うことを目指す。また同社が手掛ける、貨物を固定するラッシング製品についても、環境配慮型製品の拡充を推進していくとしている。

 

繊維スリング使用シーン

繊維スリング使用シーン

環境配慮型 繊維スリング製品

環境配慮型繊維スリング製品

 

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