CO2排出量を見える化 三井化学、三井倉庫HDと

2022年06月16日

ゴムタイムス社

 三井化学は6月15日、自社製品の過去3年分の国際輸送により発生したCO2排出量の計算を、三井倉庫ホールディングス(三井倉庫HD)と共同で実施したと発表した。

 この算定により、同社は、原材料、生産、製品出荷に至るほぼ全てのCO2排出量の計算・開示を行うことが可能となる。特に製品出荷部分は、国際的な第三者機関の妥当性評価も得た精度の高い算出法となる。両社は、今後も三井倉庫HDが提供する物流デジタルプラットフォームを通じたリアルタイムなCO2排出量の可視化についても、協業を進めていく。

 今回の計算方法の画期的な点として、①グローバル全域で海上・航空のみならず鉄道やトレーラーなど、複数の輸送モードを用いた複合一貫輸送を対象としていること、②同一の輸送モードを使用しても、地域ごとに異なるCO2の排出量係数の差なども考慮して精度の高い算定を可能としたこと、③三井倉庫HD提供の同計算方法が、国際的な第三者機関であるDNV社の妥当性評価も得ていること、の3点が挙げられる。

 今回のCO2排出量の計算は、三井倉庫HDが提供する物流のサステナビリティ支援サービスである「SustainaLink(サステナリンク)」の提供メニューの一つである国際輸送CO2排出量算定サービスを活用し、輸送モード・製品・輸送区間等ごとに、同社の保有する数万件に及ぶデータの分析を行った。

 当該排出量計算式は、国際輸送も包括する算定方法(GLEC frameworkに適合)に基づいたもので、日本で初めて2022年4月に第三者機関であるDNV社による妥当性評価を受けた。

 三井倉庫HDは、輸送で発生するCO2排出量の把握を継続し、同社をはじめ、顧客のサプライチェーンにおけるCO2排出量削減効果の見える化、実際の削減に向けた具体的な物流ソリューションを提案していく。

 同社は、2020年11月に2050年カーボンニュートラル宣言を発表した。生産分野における環境への配慮に加え、輸送実績・CO2排出量の見える化を通じて、製品輸配送における環境への負荷低減に向けた取組みを今後も進めていくとしている。

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