ランクセス子会社が出展 ケムスペック・ヨーロッパ

2022年06月07日

ゴムタイムス社

 ランクセスは6月6日、同社の完全出資子会社で受託製造会社のサルティゴが、ドイツのフランクフルト・アム・マインで5月31日~6月1日に開催された「Chemspec Europe 2022」に出展し、この分野における自社の総合的なサービスを紹介したと発表した。

 複雑な構造の化学品有効成分および中間体の効率的な受託合成には、統合化された生産インフラが極めて重要となる。サルティゴの新規事業開発の責任者であるギド・ギフェルズ博士は、「特に、巨大分子や長い合成経路では、単一の供給者がすべての工程を担うことにより、複数の供給者が存在することによる潜在的な問題点や物流上のリスクを最小限に抑えることができる」と述べている。

 医薬品および農薬の有効成分はますます複雑になっており、しばしば1つ以上の立体中心を含んでいる。そのため、農薬の有効成分分子は、選択的に生成されるか、エナンチオマーとジアステレオマーの分離が必要とされる場合が多くある。サルティゴのマーケティング・セールス部門の責任者であるクリストフ・シャフラス博士は、「昨今、工業的規模で生産される農薬有効成分では、10段階以上の独立した工程を含む合成が一般的となっている。多くの場合、合成における課題は、ある単一の重要な段階よりも連続した厳しい反応全体によってもたらされる」とコメントしている。

 サルティゴの広範な技術ポートフォリオと長年の化学的および技術的な経験は、すべての要件を包括的かつ確実に満たすための最適な条件を提供する。このような「ワンストップ・ショップ」型のソリューションは、特にサプライチェーンの脆弱性やその他の予測不可能な外部の影響が懸念される場合に、最大限のセキュリティを保障する。

 サルティゴの中核技術は、加圧環境下における高温での水素化、触媒を用いたカップリング反応、ならびに低温および不活性ガス雰囲気中でのその他の有機金属操作を含む。ギフェルズ博士は、「お客様は、このような難易度の高い反応、特にサルティゴの工場やプラントによって可能になる、大規模で、幅広い柔軟な組み合わせの反応に非常に興味を持っている」と述べている。

 

高効率蒸留プラント

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