住友化学は６月１日、愛媛工場（愛媛県新居浜市）内にある御代島エリアを対象として、環境省が実施する「自然共生サイト（仮称）」認定の実証事業に参画すると発表した。同社は、今年３月に公表した２０２２～２０２４年度中期経営計画において、カーボンニュートラルや生態系保全などの社会課題に対する広義のグリーントランスフォーメーション（ＧＸ）の実現を目指した事業ポートフォリオの変革を推進することとしており、同実証への参画を通じて、生態系保全に向けた国際的な目標の達成に貢献していく。
同実証では、２０３０年までに陸と海の30％の保全を目指す国際的な目標である「30ｂｙ30（サーティ・バイ・サーティ）目標」の国内達成に向けた取り組みの一環として、認定の仕組みの構築を目指している。具体的には、民間企業や自治体などの取り組みによって生物多様性の保全が図られている区域を「自然共生サイト（仮称）」として認定する仕組みを２０２３年度から開始するのに先立ち、今年度に審査プロセスの試行や検証が行われる。同社は、ハヤブサなど希少種の生息が過去に確認され、生物多様性保全上の価値を有すると考えられる御代島エリアを対象として同実証に参画し、２０２３年度の正式な開始に向けた「自然共生サイト（仮称）」認定の仕組みの構築に協力する。
同社は、生態系保全を重要な経営課題であると認識し、２０１１年には「住友化学生物多様性行動指針」を制定、その下で事業活動を進めてきた。また、30ｂｙ30目標の重要性を理解し、有志の企業・自治体・団体による「生物多様性のための30ｂｙ30アライアンス」に設立当初より参加している。
同社は、将来にわたって、事業活動における環境配慮や事業所周辺の保全活動を進めるとともに、生態系保全に資する製品・技術の開発普及に取り組み、生態系保全活動の充実に努めていくとしている。
愛媛工場新居浜地区の航空写真
「生物多様性のための30ｂｙ30アライアンス」に参加
