日本ゴム工業会第26回幹事会詳報 原油価格100ドル台に突入 原油・ナフサの価格動向

2022年06月13日

ゴムタイムス社

 日本ゴム工業会は5月27日、東京千代田区の経団連会館で第26回幹事会を行い、ゴム製品の生産・輸出概況や最近の資材動向など各各種統計の資料を配布した。資材関係では、原油・ナフサ価格の推移、天然ゴム価格と在庫の推移などを報告した。
原油価格 平均約98ドル
資材関係事項
 ◆原油価格の推移
 22年の原油相場の平均は、WTI(ニューヨーク先物相場)は1バレル98・1ドル、ドバイ原油(東京スポット相場)は1バレル99ドルとなり、21年平均と比べてWTIは30・2ドル上昇、ドバイ原油は29・9ドル上昇した。
 WTI価格の推移を見ると、新型コロナウィルスの世界的な急拡大を受けて、20年4月は1バレル16・7ドルと暴落した。その後は各国の経済対策やワクチン接種が進められる中、世界経済が正常化に向かうにつれ、WTI価格も回復基調を強めた。
 21年に入ってもその状況は続き、1月のWTIは51ドル、ドバイ原油は54ドルから3月にはWTIは62・4ドル、ドバイ原油も64・7ドルに上昇した。7月のWTIは72・4ドルドバイ原油は72・6ドルと約3年ぶりに70ドル台に突入した。 21年後半はWTIとドバイ原油とも70ドル~80ドル近辺で推移していたが、22年年初から急上昇した。
 新型コロナウィルスのオミクロン株への懸念後退やロシアによるウクライナ侵攻などがその要因とみられ、22年3月はWTIが108・3ドル、ドバイ原油は110・9ドルに上昇した。
 ◆ナフサ価格の推移
 新型コロナ感染拡大で20年前半の東京オープンスペック(事務局試算)と輸入ナフサ価格は急落した。ただ、その後は原油価格の高騰などを背景に、輸入ナフサ価格も上昇基調で推移した。
 21年に入ると上昇傾向が一段と強まり、オープンスペックの3月は4万5300円、10月は6万1000円と6万円を超えた。さらに22年3月は8万3700円と急上昇した。輸入ナフサ価格も22年3月の時点で6万8791円に上昇している。これを受け、22年第2四半期の国産ナフサ価格は8万4000円前後に急騰すると予想した。
 ◆天然ゴム価格と在庫の推移
 新型コロナ感染拡大による経済悪化懸念から、天然ゴムの東京相場(JPX相場)は20年6月は先限が150円、当限が137円を下回る水準まで下落した。しかし、景気回復への期待などを要因として、21年1月は当限が305円、3月には先限が263円まで上昇した。その後は緩やかな下降局面で推移したが、9月を底に上昇基調が続いている。22年3月は先限が260・51円、当限が267・6円となった。
 その結果、22年平均の先限は251・1円で21年平均に比べ17・1円上昇、21年平均の当限は246・7円で同12・5円上昇となった。
 生ゴム営業倉庫在庫は、21年は7月に9760円と1万tを切る水準で推移していた。その後は1万1000t~1万3000tの範囲で推移している。22年4月は1万1195tとなっている。
 ◆日銀企業物価指数の動向
 15年を100とした主要原材料の日銀企業物価指数の22年の動向を見ると、天然ゴム(119・2)、合成ゴム(110・7)、カーボンブラック(125・0)、ナフサ(国内価格)(153・0)、ブタジエン(107・6)、スチレンモノマー(140・3)は15年を上回り、21年との比較でもすべての品目が上回っている。
 エネルギー分野では、道路貨物輸送は111・0、都市ガスは108・6、電力は113・9となった。

ゴム製品の生産概況
 ゴム製品の生産別生産輸出入に関する資料では、自動車タイヤやゴムベルト、ゴムホースなどの生産数量と伸び率が示された。
 ◆自動車タイヤの生産数量と伸び率
 自動車タイヤ生産(本数ベース)は21年10月より前年同月比マイナスだった。22年2月には一旦プラスに転じたが、3月は減少した。半導体不足に伴う自動車メーカー各社の減産がタイヤ生産の動向に影響しているもようだ。
 車種別にみると、3月は乗用車用(同2・8%減)、トラック・バス用(同8・7%増)、小型トラック用(同5・0%減)、二輪用(同8・8%増)、特殊車両用(同18・3%増)となった。
 ◆ゴムベルトの生産数量と伸び率
 ゴムベルト全体の生産推移(新ゴム量ベース以下同)をみると、コンベヤベルトは主要の鉄鋼用がコロナから徐々に回復傾向を示し、21年9月から4ヵ月連続増加した。ただ、22年1月から減少に転じ、3ヵ月連続のマイナスとなっている。
 ◆ゴムホースの生産数量と伸び率
 ゴムホースの生産推移(同)を見ると、21年11月から3ヵ月連続の増加となったが、22年2月と3月は減少となっている。ゴムホース生産の7割近くを占める自動車用については自動車メーカーの減産などが響き、自動車用の22年1~3月の生産数量は前年同期比4・5%減となった。
 一方、高圧用は同26・5%増。建機や工作機械業界が輸出向けで旺盛な需要がある。このため、高圧用ホース各社はフル生産の状況が続いている。搬送用ホースなどその他は同2・0%減となっている。
 ◆工業用品の生産数量と伸び率
 工業用品全体では21年2月以降前年同月を上回って推移した。ただ。自動車の減産などを背景に、9月以降は7ヵ月連続の減少となっている。直近の3月をみると、構成比の大きい品目のうち、防振ゴム(同11・6%減)、パッキン類(同7・5%減)、スポンジ製品類(同12・0%減)、その他の工業用品(同12・3%減)となり、全体では同7・4%減となっている。

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