営業増益企業は7割 上場プラ40社の22年3月期

2022年05月30日

ゴムタイムス社

 主要プラスチック関連上場企業40社の22年3月期連結決算が出揃った。自動車の減産や原材料高の影響を受ける一方、幅広い産業において需要が回復したことや市況上昇、販売価格の是正なども寄与し、22年3月期は多くの企業が増収増益で着地した。
 主要プラスチック関連上場企業40社合計の売上高は7兆2118億700万円となった。森六ホールディングス、大日精化工業、ユニチカ、大阪ソーダ、サンエー化研、前澤化成工業、積水化成品工業の7社は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)を期首より適用しており、売上高対前年同期増減率を公表していない。このため、単純な比較はできないものの、売上高は前期(21年3月期)の6兆3915億1300万円と比べると12・8%増となった。半導体不足による自動車減産影響も見られたが、市況上昇に加え製品価格への転嫁などもあり、プラ上場企業の売上高は前期を上回る結果となった。
 なお、40社中増減率を公表していない7社を除いた33社中、増収企業は30社となり全体で9割が増収となった。上位40社で売上高1位は帝人の9260億5400万円で同10・7%増となった。マテリアルやヘルスケア、繊維・製品など各セグメントで経済回復に伴う販売が増加した。マテリアルでは原料価格高騰に対応した販売価格改定を実施したことも寄与し2桁の増収となった。
 営業利益は6436億8700万円で同34・7%増となった。40社中営業増益企業は28社で、全体の7割が営業増益となった。需要回復による販売数量の増加、交易条件の改善や為替の円安進行、事業構造改革の推進なども増益を後押しした。
 営業利益額1位の東ソーは1440億4500万円で同64・0%増となった。海外の製品市況が想定を上回ったことに加え、円安による為替差益もあり、売上高、各利益とも過去最高を更新した。
 一方、営業減益は12社となった。売上高1位の帝人の営業利益は同19・5%減。繊維・製品で医療用ガウンの官需が収束したことやマテリアルでも半導体不足の影響や一部事業での生産休止影響などを受けた。
 経常利益は6891億400万円で同42.1%増となった。経常増益企業は32社となり全体の約8割近くを占めた。こののうち3桁増益以上の企業は日本触媒、タカギセイコー、ハリマ化成グループ、新日本理化の4社となっている。
 四半期純利益は4377億300万円で同61・4%増となり、前年度の11・5%減から大きく増加した。前年同期に比べて純利益が増加した企業は30社で全体の75%を占めた。
 今期(23年3月期)業績予想については、「ウクライナ情勢の悪化や為替レートが円安進行するなど、現時点では不確定要素が多く合理的な業績予想の算出が困難として業績公表を未定とした」(東ソー)など5月23日現在で4社が未定とした。その中で、増収を予想する企業は35社、営業増益を予想する企業は19社となっている。

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