5社が増収増益に プラ機械6社の22年3月期

2022年05月20日

ゴムタイムス社

 プラスチック機械大手6社の22年3月期決算が出揃った。(日精エー・エス・ビー機械は22年9月期第2四半期決算)。自動車産業をはじめ、幅広い産業において受注が回復したのを受けて、5社が増収増益となった。
◆日精樹脂工業
 売上高が487億3100万円で前年同期比17・1%増、営業利益は25億7700万円で同125・1%増、経常利益は29億4000万円で同174・6%増、四半期純利益は26億8000万円で同347・6%増。日本は自動車関連の需要が堅調で、売上高が164億8200万円で同16・7%増、セグメント利益は18億2900万円(前年はセグメント損失1億1300万円)。欧米地域も車関連需要が堅調で、売上高が178億7900万円で同8・9%増、セグメント利益は4億8500万円で同35・5%増。アジア地域はIT、医療を中心に中国などでの需要堅調を受け、売上高143億6900万円で同30・0%増、セグメント利益は8億1400万円で同59・8%増。
◆日精エー・エス・ビー機械
 売上高は150億9000万円で前年同期比15・6%減、営業利益は28億4100万円で同41・3%減、経常利益は41億5100万円で同24・6%減、純利益は30億3100万円で、同23・4%減となった。
 米州の売上高は46億500万円で同72・9%減、セグメント利益も売上規模の減少等により4億7500万円で同38・3%減。生活必需品等の容器需要は北米を中心に依然として底堅いが、サプライチェーンの混乱等の影響で足元の受注環境には停滞感が見られる。欧州の売上高は24億3200万円で同64・0%減、セグメント利益も2億5500万円で同53・3%減。コロナ禍からの経済正常化の動きが見られる一方、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響もあり、域内では顧客需要の弱含みが見られ、減収減益だった。
 南・西アジアの売上高は48億5500万円で同92・3%減、セグメント利益も4億1100万円で同43・7%減となった。インドを中心に中小型機の引き合いには底堅いものがあるものの、域内の新興国にはコロナ禍による影響が色濃く残る地域もあり、減収となった。営業利益もインドの継続的な設備投資の影響等により減益となった。東アジアの売上高は31億9700万円で同128・3%増、セグメント利益29億9400万円で同77・8%減となった。
◆カワタ
 売上高が183億8300万円で前期比9・5%増、営業利益が7億600万円で同50・3%増、経常利益が9億300万円で同51・4%増、当期純利益が5億4000万円で同82・4%増となった。日本の売上高は110億9000万円で同4・7%減、営業利益が6億6800万円で同30・1%減。日用雑貨や容器・物流関連に加え、新素材・食品シート関連を中心に受注は堅調に推移した。一方、自動車関連の前年度末の受注残高が少なかったことから減収となった。
◆ユーシン精機
 売上高が208億7400万円で前期比13・0%増、営業利益は28億9000万円で同14・6%増、経常利益は30億8500万円で同18・3%増、当期純利益は21億1200万円で同15・6%増となった。特注機で大口案件の回復が遅く前年度比では減少となった一方で、取出ロボットでは、新製品の販売活動に注力し、部品調達難が続く中においても納期厳守に努めたことで増加した。
◆住友重機械工業
 プラスチック加工機械事業が含まれるインダストリアルマシナリー部門の売上高は2306億円で同13%増、営業利益は193億円で同22%増。プラスチック加工機械事業は中国の電気電子関連や欧州での需要増加により、受注、売上、営業利益ともに増加した。
◆日本製鋼所
 樹脂製造・加工機及び成形機が含まれる産業機械事業の売上高は1771億6000万円で同9・4%増、営業利益は177億9600万円で同期比27・5%増となった。売上高は成形機が増加し増収。営業利益は原材料等の価格高騰及び売上製品構成の変化等の要因はあったものの、前年同期に計上した棚卸資産評価損がなかったこと及び売上高の増加で増益となった。

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