住友理工の薄膜高断熱材 設備や製品へ応用が加速

2022年02月02日

ゴムタイムス社

 住友理工の薄膜高断熱材「ファインシュライト」が製造現場や居室空間、設備、製品へ応用が進んでいる。今回、アルミ部品メーカーである多田スミスの設備向けに、化石燃料の低減活動の一環として、ファインシュライト(不織布シートタイプ)が採用された。多田スミスはCO2排出量削減を目指している。多田スミスがアルミ溶解炉の断熱補助材として、既存の断熱材の外周にファインシュライトを張り付けたところ、放熱を抑制する効果が見られ、ガス使用量の3・5%削減につながった。また、表面温度が最大20℃下がったことで、従業員のやけど防止や、作業環境の改善、空調の省エネにも寄与している。

 さらに、洗浄機メーカーのAQUA・jでは、小物部品洗浄機「バイブレーションウォッシャー」向けに、同社のファインシュライトが採用された。ねじなどの小さな部品を振動モーターによって洗浄・乾燥させる機械で、乾燥工程の設備周辺に巻くことで、放熱を抑制し、ヒーターの省エネ効果が確認された。表面温度の低下により、やけどの防止にもつながっている。

 同社ではほかにも、自動車部品メーカーで採用されて現場従業員の安全対策や労働環境の改善に貢献したり、酒造メーカーでの品質管理の取り組みに使われ始めたりと、さまざまな業種から問い合わせを受けて試作・評価を実施している。

 同社は熱源の周辺などにファインシュライトを設置して工場・設備での熱効率を高めたり、空調の稼働率を下げたりすることで、燃料や電力などのエネルギー消費を抑制し、事業活動に伴う二酸化炭素(CO2)排出量の削減につなげる。これにより、事業者のカーボンニュートラル(CN)を後押しし、脱炭素社会の実現に貢献していく。

 同社グループは2050年におけるカーボンニュートラルの実現に向け、自社内だけにとどまることなく、モノづくり企業をはじめとする産業界での貢献を目指して、脱炭素への取り組みを加速させていくとしている。

 

ファインシュライト(不織布シートタイプ)

ファインシュライト(不織布シートタイプ)

アルミ溶解炉の周囲にファインシュライトを設置

アルミ溶解炉の周囲にファインシュライトを設置

 

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