アース作業の簡素化に貢献 八興、静電気対策ホース発売 

2021年12月08日

ゴムタイムス社

 樹脂ホース・チューブ・継手メーカーの八興は、エアホースの新製品「エアホース・グランドワイヤー(EーAHG)」を開発し、12月1日より発売を開始した。
 同社はこれまで、内層に導電性ポリウレタンを施したエアホースを自動車業界を中心に販売し、「大手自動車メーカーからは当社オーダーメード品を20年以上納入してきた実績がある」(同社)。
 しかし、近年は外見からも静電気対策を施した製品が欲しいという要望が寄せられていた。
 こうした要望に対応すべく、新製品「エアホース・グランドワイヤー」は、導電性ポリウレタンを施した導電ライン樹脂層とらせん状に巻きつけたアース線(ステンレス繊維)が等間隔に接触(W効果)することで、優れた静電気除去能力を発揮できるようにした(特許取得済み)。なお、この構造は、これまで塗料ホースの「ソルベントホース」で採用していたが、この構造のエアホースは国内初になるという。
 エアホース・グランドワイヤーは、内層にポリウレタン樹脂(ピンクパープル)、外層にポリウレタン樹脂を使用し、内層・外層に補強糸、ステンレス繊維、導電性ポリウレタン樹脂を用いた2層構造。アース線に使用するステンレス繊維は、軟銅線と比べて非常に高い耐屈曲性を有している。
 アース作業の簡素化も特徴の一つ。従来のエアホースは、作業者がニッパーやハサミなどでアース線を取り出し、継手に取り付けることで帯電防止を確保する必要があった。一方、エアホース・グランドワイヤーはアース線を剥かずにエアホース専用の継手をホースに取り付け、接地するだけでスプレーガンなど端末機器の帯電を防止できるので、「アース線の取り出し作業が不要で、作業の簡素化にも貢献する」(同社)と強調する。
 さらに、エアホース・グランドワイヤーは、耐久性(ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に強く、エアドライバーなどエアツール用ホースに最適)、耐寒性(マイナス20℃でもホースが硬化せず作業性に優れる)、楽々カット(1m感覚でホース長さが印刷しているためホースカットが簡単)、専用継手(専用継手との組み合わせでホース・継手の選定ミスによる事故が予防できる)といった点も特徴として挙げられる。
 同社では、主に自動車や二輪車の製造ラインでの使用を想定。「国内の自動車工場はもちろん、日系の自動車メーカーが展開する海外工場でも高いニーズが見込まれる製品」(同社)とし、海外市場の開拓にも力を注いでいく。そのほかでは、塗装機器やスプレーガン用エアホース、静電気対策を必要とするエアー機器配管などでも使用が見込める製品としている。

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