射出成形機で容易にマーブル模様 BASFのウルトラゾーン

2021年11月29日

ゴムタイムス社

 BASFは11月26日、特許出願中の技術により、ポリアリールエーテルスルホンであるウルトラゾーンを使用したマーブル模様の製品を、一般的な射出成形で製造することを実現させたと発表した。この着色技術により、家電製品、食器や容器類、ビジュアルパーツなどに無限のカラーバリエーションを提供し、色の濃淡や縞模様などの表面効果の再現が初めて可能となった。

 同技術は、射出成形グレードでもあるウルトラゾーンE(PESU、ポリエーテルスルホン)およびウルトラゾーンP(PPSU、ポリフェニルスルホン)での実績があり、ウルトラゾーンがもつ優れた機械特性、耐熱性、耐薬品性を備え、さらに食品接触に対する規則にも適合したユニークな製品を製造することができる。

 同社本社のパイロットプラントで開発された新しいプロセスにより、新型ノズルインサートと特殊な注入技術を用いることで、射出成形機でのマーブル模様の製品製造が従来よりも容易になり、プロセス信頼性も向上した。はちみつのような色合いを持つウルトラゾーンは、淡い色合いのほか、木や大理石といった天然素材のような、単色ベタ塗りによる抽象的なパターンにも適している。

 同社のグローバルビジネスディベロップメントウルトラゾーン担当者、ゲオルク・グレッセル氏は「今回のマーブリング技術によって、ウルトラゾーンの多彩なデザインの可能性に新たな着色方法を加えることができた。射出成形機の温度を適切にコントロールすることで、ウルトラゾーンPおよびウルトラゾーンEの射出成形グレードでは、魅力ある高コントラストのパターンが可能になる。これまでの実績では、透明、半透明はもちろんのこと、無彩色の製品も成形することができた」と述べている。

 ウルトラゾーンで製造されたマーブル模様の製品は、180℃までの過熱蒸気耐性、広い温度範囲における優れた強度と靭性、工業用洗浄剤に対する卓越した耐性および、繰り返し行われる滅菌処理への耐性を備えており、ボウル、カップ、皿、調理器具などの家庭用品や、電子レンジでの使用など、様々な用途で使用可能となっている。さらに、ウルトラゾーンは、EUと米国の食品接触規制にも適合している。また、メガネフレームやハンドル、電気・電子機器のビジュアル製品、装飾パネルやカバーなどにもマーブル効果を出すことができる。

 

ウルトラゾーンを使用しマーブル模様を再現

ウルトラゾーン使用でマーブル模様実現

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