航空・宇宙、工業用品で不振 櫻護謨の4~9月期

2021年11月08日

ゴムタイムス社

 櫻護謨の22年3月第2四半期連結決算は、売上高が26億7300万円で前年同期比25・0%減、営業損失は3億3600万円(前年同期は1億2700万円の損失)、経常損失は3億4200万円(前年同期は1億2800万円の損失)、四半期純損失は2億2100万円(前年同期は1億7600万円の損失)となった。

 売上高の減少は、航空・宇宙、工業用品事業において、受注の端境期にある官需大型機向けの販売が大きく落ち込んでいることを主因としている。不動産賃貸事業は、前年同期のような新型コロナウイルス感染症に対応した休業は無く売上高は増加で推移している。利益面においても、航空・宇宙、工業用品事業における売上高減少の影響は大きく、変動費は減少しているものの固定費を吸収することはできず、各段階損益は損失計上となった。

 セグメント別では、消防・防災事業は売上高が11億1200万円で同8・5%減、セグメント損失は1億8000万円(前年同期は1億4900万円のセグメント損失)。第1四半期にオリンピック向け資機材のスポット販売があったが、第2四半期には特需事案はなく、また、前年同期に比べ特殊車両の販売は減少した。消防ホースの販売は前年同期と同水準で推移している。

 航空・宇宙、工業用品事業は、売上高が13億1200万円で同37・9%減、セグメント損失は7900万円(前年同期は1億4800万円の利益)。官需大型機向けのエンジン部品及び配管類の販売が大きく減少したほか、民間航空機向けシール材の販売も減少した。工業用品部門では、一部材料の入手が困難な状況となっていることから、タンクシールの販売が減少した。利益面では、製造原価ならびに販売費及び一般管理費の削減に努めたが、売上高の大幅減により固定費を吸収することができず、減益となった。

 不動産賃貸事業は、売上高が2億4700万円で同4・8%増、セグメント利益は7400万円で同18・9%増。前年第1四半期には、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う商業施設の休業によりテナントへの賃料減額を実施したが、当期には休業や賃料減額の実施はなかった。

 通期の連結業績予想に変更はなく、売上高が89億円で前期比11・2%減、営業利益は7500万円の損失、経常利益は9500万円の損失、純利益は9000万円の損失を見込んでいる。

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