三菱ケミ、新グレードを開発 配線基板用熱可塑性樹脂フィルム

2021年10月26日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは10月22日、プリント配線基板用熱可塑性樹脂フィルム「IBUKI」について、電気特性を向上させ、高周波領域における伝送損失を低減した新グレード「New―IBUKI(仮称)」を開発したと発表した。同社は、今年10月27日から29日にかけて東京ビッグサイトで開催される「JPCA Show 2021」に出展し、初めて紹介する予定。

 「IBUKI」は、接着剤を用いずに一括多層プレス加工を容易にしたプリント配線基板用熱可塑性樹脂フィルムで、優れた寸法安定性、高周波特性、低温加工性、耐熱性、加水分解特性といった特長を有しており、配線基板用絶縁基材などとして使用されている。

 今後普及が見込まれる5Gなどの次世代通信においては波長が短い高周波が使われるため、従来の素材では電波を損失させ、通信に支障を来すおそれがあり、新素材の開発が求められている。「New―IBUKI」は、「IBUKI」の特長はそのままに、高周波領域における伝送損失を軽減させた製品で、次世代通信用の配線基板材料として活用することができる。

 電子機器の薄型化、小型化、高機能化に伴い、プリント基板は今後ますます高多層化、部品内蔵化が進むと考えられる。同社は、顧客ニーズの多様化・高度化に対応する開発を進めることで、「IBUKI」シリーズのさらなる普及と、事業の発展を目指していくとしている。

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