ゴム樹脂の価格改定続く 5~6月の値上げ一覧

2021年08月09日

ゴムタイムス社

 ナフサなど原材料価格や物流費など高騰などを理由に、ゴム・樹脂関連企業で値上げの動きが続いている。コロナからの需要急回復で需給もひっ迫しており、5~6月は原料メーカーの再値上げに加え、タイヤメーカーや工業用ゴムメーカーからも価格改定が相次いだ。

 カネカは6月15 日出荷分より塩化ビニル樹脂を現行価格比で10 円/kg以上の値上げを実施すると発表した。また変成シリコーンポリマーの販売価格について7月1日出荷分より50円/kg以上改定すると発表した。
 東ソーは熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)について5月10日出荷分からエーテル系製品が現行価格から+130円/kg以上、エステル系製品が現行価格から+60円/kg以上、ポリエチレン樹脂については7月15日納入分より価格改定を実施し、改定幅は12円/kg以上。
 デンカはデンカサーモシートBOPSを5月1日納入分より28円/kg以上の値上げを実施。また、ポリビニルアルコール(デンカポバール)では5月24 日出荷分からプラス35 円/kg、さらに6月28 日出荷分から45 円/kg再値上げを実施すると発表した。
 十川ゴムは、同社製品全般について、7月1日出荷分より価格改定を実施。改定幅はゴムシート類が10~20%、その他汎用品が(樹脂製品含む)8~20%引上げとなる。
 タイガースポリマーは、8月出荷分より製品全般の価格改定を実施。改定幅は20%以上。対象製品はホース・シート・押出製品全般で汎用品だけでなく特殊品も含まれる。
 昭和電工は塩素化ポリエチレン(エラスレン)について7月1日出荷分より国内販売価格をエラスレン(粉末)が25円/kg以上、エラスレン(シート)35円/kg以上値上げする。
 クラレはPVB樹脂(モビタール)について、5月1日出荷分よりグローバルで価格改定すると発表した。また、熱性ポリアミド樹脂(ジェネスタ)は5月10日出荷分より国内外向け価格を値上げ。改定幅は国内向けが60円/kg以上、海外向けが0・60US$/kg以上。このほか、PVBフィルム(トロシフォル)、アイオノマーシート(セントリグラス)についても7月1日出荷分よりグローバルで価格改定を実施している。
 DICは6月10日出荷分よりPPS樹脂製品について、PPSコンパウンド(強化タイプ)がプラス50円/kg、PPSコンパウンド(非強化タイプ)が80円/kg、PPSニートポリマーがプラス80円/kgの値上げを実施した。
 BASFジャパンは、プラスチック添加剤の製品価格の世界的な値上げを受け、5月21日より日本国内で最大20%の値上げを実施する。
 TOYO TIREは米国のトーヨータイヤ販売子会社トーヨータイヤUSAが、5月1日より冬用タイヤを除く全カテゴリのタイヤについてディーラー向け販売卸価格を最大6%値上げすると発表した。
 クムホタイヤジャパンは7月1日から国内市販用タイヤの価格改定を実施。対象商品は国内市販用夏・冬タイヤで、改定率は平均3%。
 プライムポリマーは、ポリエチレン(HDPE、LLDPE)・ポリプロピレン(PP)を7月15日納入分より10円/kg以上値上げした。
 三井化学はポリウレタン樹脂について、5月1日出荷分より50円/kg以上値上げすると発表した。対象製品に関しては、タケラック、タケネートなどとなっている。
 大洋塩ビは6月21日納入分より塩化ビニル樹脂について価格改定を実施すると発表した。改定幅は現行価格からプラス12円/kg以上。
 東海カーボンはカーボンブラック全品種(輸出を含む国内工場出荷)を5月1日納入分より26・8円/kg値上げを実施すると発表している。
 三井・ダウポリケミカルはエバフレックス(EVA樹脂)の価格を5月12日納入分より改定すると発表した。改定幅は酢酸ビニルモノマーの添加率×90円/kg。
 ダウ・ケミカルは5月1日出荷分よりプロピレン系グリコールエーテルについて値上げすると発表した。対象製品はプロピレン系グリコールエーテル溶剤で、値上げ幅は40円以上/kgとなっている。
 積水化学工業は5月21日出荷分より塩化ビニル管・塩化ビニルライニング鋼管および関連製品の価格改定を実施すると発表した。塩化ビニル関連製品では塩化ビニル管全般が15%以上、塩ビ継手および塩ビマスが10%以上、その他関連製品が10%以上。ポリエチレン関連製品では、ポリエチレン管および継手・その他関連製品が15%以上、塩化ビニルライニング鋼管では、水道用塩ビライニング鋼管(LP―VA・VB)が15%以上、排水用塩ビライニング鋼管(DVLP)が8%以上などとなっている。

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