プラスチック射出成形の成形不良の原因と対策

2021年02月25日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

特設記事2 プラスチック射出成形の成形不良の原因と対策

プラスチック射出成形の成形不良の原因と対策

加藤技術士事務所 所長 加藤秀昭

1.はじめに

 射出成形はいろいろな業界で使用され、家庭や社会のあらゆる場所に成形品がある。これはプラスチックの加工性の良さと価格の安さなど、多くのメリットがあり、このように大きな市場となっている。現在 プラスチックは環境的・社会的に厳しい逆風の中、課題を解決すべくバイオプラスチックをはじめとして、多くの材料開発が進められ、また新しい加工技術も開発されている。
 これまで、プラスチック射出成形は時代要求に合うように、さまざま技術が開発され、現在多くの技術が生産に寄与している。
 プラスチック材料が開発された当初は、金属の代替品としてナイロンやポリアセタールなどプラスチック材料が開発され、その材料を使いこなす製造技術として射出成形技術が進歩してきた。いかに金属に替わるものを、安く大量に生産することが目的であった。いまでは多くの雑貨品の用途に採用されている。
 さらに多くのプラスチック材料が開発・上市され、家電、情報機器、自動車用の成形部品として、プラスチックの特長を生かして、複雑な形状の成形品を高生産性・高品質を維持し安定的に生産するシステムが完成している。

2.射出成形の技術

 射出成形の技術は、時代とともに、その難易度は高まっている。最近の射出成形に要求される技術は、何かの代替えでなく、特長あるプラスチック材料を生かした高機能な製品・成形品の開発である。その結果として、過去では考えられなかったような製品分野へ成形品が使われている。例えば、自動車のエンジン廻りの成形部品、超小形薄型の情報機器のコネクタ、超高精度の非球面プラスチックレンズなど、プラスチック材料の限界、射出成形設計・技術の限界に挑戦した成形品が開発され、射出成形の得意とする大量生産を実施している。
 7月31日に開催するセミナーでは「プラスチック射出成形の成形不良の原因と対策」(ゴムタイムス社主催)について講演をする予定である。射出成形の不良にはいろいろなものがある。その成形不良の発生原因は、プラスチック射出成形の特徴的な加工法に起因することが多い。
 「プラスチックを加熱溶融して、高速射出し、冷却・固化して、金型から離型する」
 これが射出成形の加工工程である。この射出成形のおのおの工程(ステップ)の、それぞれの特徴、射出成形の結果から成形品が作り出される。適切な成形品設計、金型設計・加工、成形条件設定が行われれば良品が得られる。

3.成形品不良の代表例

 成形品不良の代表的なものは、プラスチックの流れの影響から「ウェルドライン」、「フローマーク」などがあり、他の加工方法では発生しない不良現象である。「バリ」、「ショートショット」などは金型の製造上の問題や、設計的な金型構造、ゲート位置などの影響で発生する。また、「外観的不良」は、成形品がさまざまな市場分野で使用され、最終製品の意匠、イメージにかかわることがあるため、判断基準が厳しくなる傾向にある。その対策は金型製作前から検討が必要である。「寸法不良」は、プラスチックの

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