微生物を利用したバイオプラスチック合成~中鎖ホモポリヒドロキシアルカン酸編~

2021年02月25日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

特集1 バイオプラスチックの現状と将来展望

微生物を利用したバイオプラスチック合成~中鎖ホモポリヒドロキシアルカン酸編~

東京農業大学 廣江綾香
東京工業大学 柘植丈治

1.はじめに

 軽くて安くて丈夫なプラスチック材料は、私たちの生活に不可欠な存在だ。ビニール袋、タッパー、ペットボトル、電子機器のボディーや部品など身の回りにはあらゆるプラスチック製品が溢れている。1950年に世界で200万トンだった生産量は、2015年には3.8億トンまで増え、今なお年率約8.4%の勢いで増え続けている1)。
 一方、1950年以降廃棄されたプラスチックごみの総量は63億トンとされ、そのうち12%が焼却処分、9%がリサイクル、残りの79%は埋め立てもしくは環境流出していると考えられている1)。環境流出し海に流れ着いたプラスチックや直接海に投棄されたプラスチックは、海洋生物に絡まったり誤飲されることで、生育に支障を与え死亡に至る例も報告されている。2050年には、海に生きる魚の総量(8億トン)よりも海洋プラスチックごみの総量

全文:約7174文字

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