注目のポリマー関連製品をピックアップVol.5 ㈱上島製作所 「FPS摩耗試験機」「RTM摩擦試験機」

2021年02月25日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

注目のポリマー関連製品をピックアップ
Vol.5 ㈱上島製作所 「FPS摩耗試験機」「RTM摩擦試験機」

「摩耗」「摩擦」「粘弾性」「疲労」をコンセプトに、ゴムやプラスチックそして塗料などの産業分野に信頼性の高い試験機を提供し、創業100年以上の歴史を築く上島製作所。江場淳一社長(以下、江場)と営業部の吉岡裕志部長(以下、吉岡)に注力製品を尋ねた。

FPS摩耗試験機

──FPS摩耗試験機(以下、FPS)について。
 吉岡 FPSは2000年初めに販売を開始して以来、毎年改良を続け販売をしています。2012年には2つの大きな改良を行いました。それは、従来幅広く使用されていたランボーン摩耗試験機では実現できなかった摩擦力制御での試験が可能になったことです。
 もうひとつは、FPSに路面の温度調節を行えるようにしました。回転するモノに電気を通すための部品であるスリップリングのような消耗品を使わず、非常にメンテナンスが楽な方法を使って機能を実現しました。

──FPS摩耗試験機の特徴は。
 吉岡 加硫ゴムの摩耗試験方法には、ランボーンをはじめウイリアムスやアクロン、ピコなど6種類がJISになっています。標準的なランボーン摩耗試験機に対し、FPSは微小なスリップ率に関して正確で高い再現性を実現しました。
 従来のランボーン摩耗試験機のスリップ率は、下限は5%程度ですが、FPSは1~2%程度の小さいスリップ率での試験ができます。そのため、主に乗用車用のタイヤの摩耗のシミュレーションに適しています。最近の傾向として、タイヤメーカー様が小さいスリップ率で試験する機会が多いですが、もちろんトラック・バスのような大きなスリップ率で試験をすることも可能です。

──販売開始してからの動向は。
 江場 当社のタイヤ用のゴム摩耗試験機は実車との相関が一番重要です。製品の開発や改良するさいには、

全文:約3341文字

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー