横浜ゴム、新冷媒装置を導入 北海道の屋内氷盤試験場に

2021年02月25日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは2月19日、北海道旭川市にあるタイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(TTCH)」の冬用タイヤの氷上性能をテストする屋内氷盤試験場に、全長約100mの国内最大級となる冷媒装置を備えた氷盤試験路面を2020年11月に設置したと発表した。

 冷媒装置を導入した新氷盤路は、氷の表面温度をマイナス10度~0度までコントロールすることが可能な能力を備えている。これにより、スタッドレスタイヤの開発で重要な0度付近の高温域から低温域まで様々な氷上路面でのタイヤ試験を、安定した試験条件により行うことが可能となった。さらに、初冬の外気温に左右されずに氷盤路面を作ることができるようになったため、氷上制動試験の開始時期を早めるなど開発期間の自由度が向上した。このため、スタッドレスタイヤからスタッドタイヤ、オールシーズンタイヤまで多様なカテゴリーに対応した冬タイヤの開発を、高精度かつ効率的に行うことが可能となった。

 TTCHは、タイヤ事業のグローバルな拡大に伴う評価数の増加や評価手法の高度化に対応するため2015年12月に開業したテストコースで、乗用車およびトラック・バス向け冬用タイヤの試験を実施している(春から秋は夏用タイヤの試験にも活用)。屋内氷盤試験場は、冬用タイヤのさらなる高性能化を目指して2018年1月に開設している。

 同社は、冬用タイヤテストコースとしてTTCHのほかに、スウェーデンに「ヨコハマ・テスト・センター・スウェーデン(YTCS)」を設置している。TTCHでは世界中で販売する全ての冬用タイヤの試験を行い、YTCSでは欧州大陸やロシア・北欧向け商品の確認評価を実施しており、各国・地域の冬路面に最適な冬用タイヤの開発を推進している。

 

屋内氷盤試験場に導入した新冷媒装置

屋内氷盤試験場に導入した新冷媒装置

屋内氷盤試験場の室内氷盤路

屋内氷盤試験場の室内氷盤路

 

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