米・ポロセル社を買収 エボニック、触媒事業を拡大

2020年09月01日

ゴムタイムス社

 独エボニック・インダストリーズは8月31日、触媒事業の成長を加速するため、米ポロセル・グループを2億1000万ドルで買収すると発表した。

 米国テキサス州ヒューストンに拠点を置くポロセル社は、低硫黄燃料の生産用として需要が高まる脱硫触媒を高効率で再生する技術を提供している。脱硫触媒の再生は、新規に製造する場合と比較して、二酸化炭素排出量を50%以上削減できる。さらに、ポロセル社が有する十分な生産能力により、同社は固定床触媒を用いた既存事業の拡大を加速させることが可能になる。同社の既存の触媒ポートフォリオとポロセル社の有する利用可能な生産能力が補完的に適合することにより、大きな成長の機会が生まれ、新たな設備投資を行うことなく、2025年末までに5億ユーロを上回る大幅な売上拡大を見込んでいる。

 買収価格(企業価値)は2019年の調整後EBITDAの9・1倍で、触媒分野の優良資産として魅力的な評価となっている。同取引は2020年末までに完了する見込みで、関係当局の承認が条件となっている。 

 ポロセル社のコア・コンピタンスは、精製吸着剤、硫黄回収触媒に関する効率的な技術と、使用済み脱硫触媒の再生を特徴とする水素化処理事業。この買収により、同社は製油所や石油化学部門の主要顧客にアプローチできるようになる。

 同社のクリスチャン・クルマン取締役会長は、「今回の買収は、当社のポートフォリオの戦略的発展において、当然の流れであると考えている。当社は、安定した利益率の高いスペシャルティケミカル事業に重点を置いており、今回の買収で事業シェアを、魅力的な投資額で体系的に拡大していく」とコメントしている。

 

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